ドイツのロケット会社「RFA」、ロケットの燃焼試験中に炎上 - 機体を喪失
マイナビニュース / 2024年8月30日 11時13分
ドイツのロケットベンチャー「ロケット・ファクトリー・アウクスブルク(RFA)」は2024年8月19日、開発中の「RFA ONE」ロケットの燃焼試験中に事故が起きたと発表した。
ロケットエンジンから火災が発生し、燃え広がった結果、機体全体が破壊された。
同社は、今回の試験が成功すれば、数週間後にも初打ち上げに挑むとしていたが、この事故により大きな試練にぶつかった。
RFA(Rocket Factory Augsburg)は、2018年に設立されたドイツ企業で、小型衛星の打ち上げに特化した小型ロケットを開発している。
従業員数は約200人で、これまでに5000万ユーロ以上の投資を調達している。
同社が開発している「RFA ONE」ロケットは、全長30m、直径2.1mで、高度500kmの太陽同期軌道に1.3tの打ち上げ能力をもつ。ロケットは3段式で、第1段には液体酸素とケロシンを推進剤に使う「ヘリックス」エンジンを9基、第2段にはヘリックスを真空対応にしたヘリックス・バキューム・エンジンを1基装備する。
第3段は「レッドシフト」と名付けられた再着火可能な宇宙タグボートで、複数の衛星をそれぞれ異なる軌道に投入したり、センサーなどのペイロードを搭載した軌道上プラットフォームとして運用したりできるようになっている。
打ち上げは、英国スコットランドのシェトランド諸島に建設された、サクサヴォード・スペースポートから行われる。また、南米仏領ギアナのギアナ宇宙センターも候補地となっている。
そして8月19日、サクサヴォード・スペースポートにおいて、第1段の実機の地上燃焼試験が行われた。
第1段は、これまで5基のエンジンのみ同時に燃焼させる試験を行ったことはあったものの、9基すべてを燃焼させるのはこれが初めてだった。
同社では、この試験が成功すれば、数週間から数か月以内にもRFA ONEの最初の打ち上げに挑むとしていた。燃焼試験に使った機体やエンジンは、その最初の打ち上げで使うものだった。
しかし、ロケットエンジンに着火した直後、エンジンから火災が発生し、機体全体に燃え広がった。機体はやがて試験台から崩れ落ち、完全に破壊された。
事故による負傷者はいなかったという。また、すぐに安全が確保され、差し迫った危険もないとした。
24日には、事故の概要や、それまでにわかっている状況などについて発表された。
それによると、エンジンの点火は、推進剤の充填と冷却を経て、機体を加圧し、まず中央のエンジンに点火し、次に少し遅れて、エンジンを2基ずつ点火していくことになっていた。燃焼時間は、推進剤がなくなるまでの35秒間の燃焼を予定していたという。
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