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日本メナード化粧品など、非侵襲的に皮膚の幹細胞の加齢変化の把握に成功

マイナビニュース / 2024年8月30日 16時38分

画像提供:マイナビニュース

日本メナード化粧品(メナード)と藤田医科大学の両者は8月29日、非侵襲的に皮膚内部の幹細胞の数や分布を可視化する独自AIシステムを開発し、皮膚内部の幹細胞の加齢変化を非侵襲的手法でイメージとして捉えることに成功したと共同で発表した。

同成果は、メナード 総合研究所の宮地克真氏、藤田医科大 医学部 応用細胞再生医学講座の赤松浩彦教授、同・医学部 皮膚科学講座の杉浦一充教授らの共同研究チームによるもの。詳細は、皮膚科学/医学に関する全般を扱う学術誌「Skin Research and Technology」に掲載された。

従来の皮膚の組織学的検査では、一般的に病理学的な手法が使われていることから皮膚の摘出を必要とされ、そのために患者への負担が大きく、検査結果が出るまでに一定期間を要することなどが課題となっていた。そうした中で近年では、従来のように皮膚を傷つけることなく、非侵襲的に皮膚内部の構造を観察できる技術が進歩しつつあるという。

そうした技術の進展を受けて研究チームは、皮膚の外部から内部を観察する特殊な顕微鏡「LC-OCT」(Line-field Confocal Optical Coherence Tomography)を用いて、皮膚を摘出することなく内部の状態や幹細胞の数や分布などを解析できるAIシステムの共同研究開発に着手。そして、2023年にそのAIシステムの研究開発に成功したことを発表した。

今回開発されたAIシステムでは、LC-OCT技術により取得された皮膚内部の3次元画像と、皮膚の状態および表皮の幹細胞(表皮幹細胞)の形や分布などの情報が、独自技術を用いて学習に利用された。その結果、皮膚を摘出することなく内部や表皮幹細胞の状態を予測することが可能になったとする。そこで今回の研究では、開発されたAIシステムによる表皮幹細胞の解析精度を検証するため、従来の病理学的手法を用いて解析した結果との比較を行ったという。

同一検体に対し、皮膚内部の表皮幹細胞の数についてAIシステムによる解析と、従来の病理学的手法を用いた解析を行ったところ、表皮幹細胞の数(割合)が一致することが判明。以上のことから、今回開発されたAIシステムの表皮幹細胞の解析精度は高いことが確認できたとした。

これまでの研究から、加齢と共に表皮幹細胞の数が減少することが解明されていることから、続いては、今回開発されたAIシステムを用いて、非侵襲的に20代から60代の女性被験者(16名)の頬部における表皮幹細胞の数や分布についての解析を実施したとのこと。その結果、これまでの研究結果と一致して、表皮幹細胞の数が加齢に伴って減少することが確認できたとともに、同じ年代の被験者でも幹細胞の数には個人差があることも確認できたという。

以上の結果から研究チームは、今回開発されたAIシステムが、非侵襲的に皮膚外部から内部の状態や皮膚の再生能力を見極める技術として有用であり、皮膚の再生医療や抗老化技術の開発への応用が期待できるとしている。
(波留久泉)

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