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サントリー、世界品質の『甲州ワイン』の実現に向けた登美の丘ワイナリーの取り組みとは?

マイナビニュース / 2024年9月2日 12時9分

一方、甲州については「糖度が上がりにくい品種です。今後、世界の白ワインに肩を並べる存在にしていくために、いかに”凝縮感”を高めていけるか。いま試行錯誤しています」と明かす。具体的には、適した圃場を選ぶ(2014年~)、適した系統を選んで植える(2015年~)、甘熟ぶどうだけを収穫する(2020年~)といったチャレンジを続けている。

「水はけの良い南東向きの斜面に棚仕立てで育てたぶどうは、香りのボリュームが出て凝縮した味わいのワインになります。また日当たりの良い真南向きの斜面に垣根仕立てで育てたぶどうは、心地よい渋さがあって勢いがある味わいのワインになります。サントリーではこれまでの甲州の概念を超える”凝縮感”を追い求めて、収穫の直前まで徹底した取り組みを行っています」

このあと熟成庫を見学した。ここは1959年に完成した施設。山をくり抜いた半地下構造で、室温が年間を通じて16~18度程度に保たれるという。

はじめに訪れたのは、発酵後の若いワインを樽に詰めて熟成させる樽熟庫。なるほど外気温(30度)と比べるとヒンヤリとして涼しい。ここには最大で250樽ほどが入るそうだ。続いて地下道を抜けていくと、たくさんの瓶を寝かせている倉庫にたどり着いた。瓶熟成の段階で、ワインの香り、味わいが少しずつまろやかになり、色合いにも深みが増していくという。

○■甲州を世界ブランドに

この直近の10年で、実は国内のワイナリー軒数が急激に伸びている。サントリーの吉雄敬子氏は「2024年現在で、おそらく500軒まで到達していると推定します」と分析する。それにともない、日本ワインの品質も向上中。海外のコンクールで賞を獲得するワイナリーも増えている。

こうした状況のなか、同社としては甲州ワインのさらなる魅力強化に努めていく考え。吉雄氏は「日本固有の品種であり、世界的にも評価されているのが甲州です。和食にも合います。サントリーでは甲州を使って世界レベルのワインをつくっていくことで、日本ワイン市場を牽引していきます」と強調する。

なお登美の丘ワイナリーでは9月より、新・醸造棟の建設にも着工する。設備投資には約7億円をかけた。「より洗練されたワインづくりを目指したものです。新・醸造棟の稼働によって、ぶどうの個性をさらに引き出すことができれば。サントリーでは今後もとどまることなく、中味品質の向上に全力で取り組んでいきます」と言葉に力を込めた。

近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら
(近藤謙太郎)



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