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軽商用EV「N-VAN e:」に盛り込んだ工夫とは? ホンダ開発陣に聞く!

マイナビニュース / 2024年9月9日 11時30分

NSXのバンパーを再利用?

デザイン面では、配達を繰り返す小口配送者さんのために床面を低くしたのはもちろん、運転席から歩道側への乗り降りのために、つま先の出し入れがしやすいようにセンタークラスターの下端をえぐったという。シフトセレクターをこれまでのレバー式からバイワイヤのスイッチ式にしたことによるメリットだそうだが、アイデアが秀逸だ。各操作部分が運転席に近い位置に配置してあるのも、細かいながら嬉しい改良。これらはヤマト運輸との実証実験による成果なのだという。

サスティナブルマテリアルを活用した環境への取り組みもなされている。フロントグリルはリサイクルバンパーをペレット化(粉砕)したものを成形したそうだ。近くで見ると、端っこにはリサイクルマークが刻印されていて、黒のベース部分には赤や青、白のキラキラした粒状の斑点が確認できる。ホンダ担当者によると、これは「通常なら粉砕するときに取り除かれる塗装膜をあえて残したからで、1台として同じカラーはありません。ひょっとしたら、この赤色はNSXのフォーミュラレッドかな、この白色はタイプRのチャンピオンシップホワイトではあるまいか、そんな風に楽しむこともできます」とのこと。いかにもホンダの技術者らしいコメントである。ただし、手間はそれなりにかかっているので、コスト面でのメリットはないとのことだ。

ちなみに前出の堀田さんは、EVを担当するのは今回が初めてとのこと。「そもそもEVってなんだっけ、というところが最初の段階です。当時の社内では、ICE(ガソリン車)やHEV(ハイブリッド車)が開発の主流で、EVは電気で走るというのはわかるけど、細かいところはどうなっているのか、やっぱり知識が足りていませんでした」という。N-VAN e:の開発期間は意外と短かったというけれど、今回のプロジェクトを進めながら色々と学んだそうだ。

堀田さん:ホンダは今まで、ガソリン車しか売ってきませんでした。一方でEVの購入を検討するユーザーの知識は非常に高いのが事実です。そこをカバーするには、販売店の力がこれからますます必要になると思います。それと日本では、250万円を切る価格帯のものじゃないと、なかなか買ってもらえなかったりもします。派手さはないですけれど、EVを着実に普及させるため、まずは日本の実情にあった商用EVという形で始めたことがポイントかな、と思っています。

原アキラ はらあきら 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。 この著者の記事一覧はこちら
(原アキラ)



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