北大、廃棄ホタテ貝殻を用いた従来の2~4倍の容量を有する吸着剤を開発
マイナビニュース / 2024年9月3日 21時8分
鉛イオンを用いた回分式吸着実験の結果、吸着速度と吸着平衡関係は共にラングミュア型吸着速度式および吸着等温式でよく説明できることが確認されたという。また、既報のバイオソーベントによる鉛吸着量は焼成貝殻吸着剤で1.33mmol/g、オオイタドリ由来吸着剤で1.22mmol/gなどと報告されており、今回の研究では5.45~6.23mmol/gであることから、非常に高い吸着容量を持つことが判明した。均一な吸着サイトとの可逆反応に基づいたラングミュア型吸着の速度式と等温式によく従うことは、カルボキシル基の修飾により、カルボキシル基が均一な吸着サイトとみなせるほど優先的に貝殻表面に存在していることが示唆されたとした。
今回の研究で開発した吸着剤は、従来の2~4倍の吸着容量を有しており、少量の使用でも十分な重金属イオンの吸着除去・回収に利用できることが期待されるという。なお、何種類かのジカルボン酸塩を用いて同様の調製方法で、カルボキシル基を表面に修飾可能であることも確認できていることから、研究チームは今後、用いたジカルボン酸塩によって吸着容量に違いが生じるかなどの詳細な実験的検討を考えているとした。また、吸着剤以外の用途についても検討する予定としている。
(波留久泉)
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