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農工大、不安定な「分子性酸化チタン」を水素生成光触媒とする技術を開発

マイナビニュース / 2024年9月4日 18時22分

メソポーラシリカとは、メソスケール(2~50nm)の均一な大きさの細孔が規則的に配列したシリカ(SiO2)のことだ。メソポーラシリカの細孔表面にはシラノール基が存在し、細孔表面の化学修飾も容易であるため、ホスト材料として多用されている。今回の研究では、そのメソポーラスシリカの細孔表面を足場とした固定化手法により、通常では不安定な分子性酸化チタン(TiO4)を安定化することに成功したという。

この分子性四配位酸化チタンは、そのユニークな光触媒反応性により、メタノール水溶液からの水素生成反応に対して「酸化チタン参照触媒」(P25)などの既存触媒の2~3倍高い光触媒活性を示すことが確認された。これまでに有機物の選択酸化などの触媒反応において、TiO4種の有用性は報告されてきたが、水素生成反応に対しても有効であることが今回はじめて明らかにされた。

また、メソポーラスシリカ細孔表面で安定化した分子性四配位酸化チタンは熱安定性(~600℃)を有し、光触媒反応時にもメソポーラスシリカ細孔表面から脱離せず、強固に固定化されていることも判明。

今回の研究で開発された光触媒は、高い活性とサイクル性能を有しており、効率的なエネルギー製造だけでなく、ファインケミカル、環境浄化の分野への応用も期待されるという。そして研究チームは今後、今回の手法を他の母体や異種金属種にも展開し、さまざまな組成・構造を持つ不均一系分子光触媒の創製に展開していく予定としている。
(波留久泉)



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