1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

QST、iPS細胞の「点突然変異」は細胞樹立時に発生すると全ゲノム解析で解明

マイナビニュース / 2024年9月4日 20時42分

これらの3つの独立した実験は、どれもiPS細胞で検出される点突然変異の大半が、iPS細胞樹立に伴って新規に生じた変異であることを示していたという。

次に、上述の結果を受け、75種のヒトiPS細胞株の全ゲノム解析が行われると、点突然変異数が従来考えられていたよりもはるかに多い、数千から1万以上のiPS細胞が発見されたとした。その一方で、臍帯血由来赤芽球を親体細胞としたiPS細胞では、タンパク質をコードする遺伝子領域に変異を持たない株も存在し、その他のゲノム領域にも変異が極めて少ないなど、全ゲノムで見ても変異数が極めて少ないことが改めて確認できたとする。

また、通常は極めて効率的に修復される、DNAの塩基のシトシン(C)からチミン(T)への「C>T変異」が多くのiPS細胞で見られ、総変異数を押し上げる主因となっていたという。それに加え、遺伝子発現調節に重要なシトシンにグアニン(G)が続く「CG配列」でのC>T変異を、通常の「生殖細胞系列変異」とiPS細胞とで比べたところ、後者でより多く生じていた。

さらに特定の「レトロトランスポゾン」配列のCG配列で、より高頻度に変異が生じることも示されたとした。ある種のレトロトランスポゾンは遺伝子の近傍に存在し、その発現制御に関与することが最近になって議論されており、注意深い解析の必要性が示唆されたとした。

iPS細胞樹立時に変異を生じる機構の解明をさらに進めることで、変異の抑制技術の開発などにつながることが期待されるとしている。
(波留久泉)



この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください