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東北大など、CNTの原子配列を制御し超高純度で合成可能な新触媒を発見

マイナビニュース / 2024年9月4日 21時6分

その合成メカニズムが詳しく調べられたところ、NiSnFe触媒ナノ粒子がNiのコアと酸化ニッケル(NiO)のシェルに分かれたコア/シェル構造を取ること、Niのコア部分がNi+SnとNi+Feの領域に偏析することがわかった。また、Ni+Snのコア部の一部にNi3Snという特異な結晶が存在することも判明。系統的な実験と密度汎関数理論計算により、このNi3Sn(0001)面の特定の原子配列が今回の(6,5)CNTのキラリティを決めている主要因であることが突き止められた。

さらに、超高純度(6,5)CNTが束状に集合したバンドル構造が頻繁に観測され、孤立状態に比べて蛍光発光寿命が20倍以上長寿命化することも発見された。これは、同じキラリティのみで構成された特異な束状構造が、ある種の超結晶に近い構造体を持ったことによる効果と考えられるという。このように同一のキラリティCNTのみを束ねて結晶構造を形成することで、将来的にCNT超結晶が形成できる可能性があるとしている。

今回の研究成果は、今後、さらにさまざまな多元系触媒を探索することで、他のキラリティに対しても単一キラリティ制御合成が実現できる可能性を示唆しているとする。また研究チームは、実際に直接合成した超高純度(6,5)CNTを超高性能半導体デバイスとして応用する研究も展開中で、既存デバイスの性能を著しく凌駕する革新的半導体デバイス創出の可能性とその社会実装も期待できるとしている。
(波留久泉)



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