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東芝、機械式・光学式の同等精度を有する小型MEMS慣性センサモジュールを開発

マイナビニュース / 2024年9月5日 6時25分

画像提供:マイナビニュース

東芝ならびに東芝電波プロダクツは、機械式・光学式と同等の高精度を実現しつつも、ドローンなどの小型モビリティに搭載可能な小型化を可能とする独自のMEMS技術を活用した慣性センサモジュールを開発したこと、ならびに同モジュールの応用製品となる可搬型高精度「ジャイロコンパス」を開発したことを発表した。

同成果の詳細は、9月1日~4日にかけてハンガリーで開催されたセンサやMEMSの分野の欧州学会「EUROSENSORS XXXVI」にて発表された。

少子高齢化やコロナ禍を受けて、リモート作業技術が急速に進歩しており、社会インフラの点検分野などでドローンなどの自律モビリティの活用による無人化/省人化要求が高まりを見せている。

しかし、そうした自律モビリティが、社会のさまざまな場所で作業を安全に継続して行っていくためには、自己の位置を正確に把握する高精度な自己位置推定技術を有する必要がある。従来手法であれば、GPSをはじめとするGNSSによる位置推定を活用するという発想になるが、建物の影やトンネル内部、水中などでは衛星からの電波は届かずに、位置精度が悪化するという課題があった。あらゆる環境下で高精度な自己位置推定を実現することを念頭に東芝では加速度センサとジャイロセンサで構成される慣性センサを活用した慣性計測装置に着目し、この高精度化を図ることを目指してきたという。

慣性センサ自体はスマートフォン(スマホ)にも搭載されるなど、すでに幅広い分野で活用されているが、主にMEMS技術が用いられて作られる小型のものの場合、1時間ほどでジャイロセンサで数十度の傾きが生じてしまうという課題があった。一方、高精度を実現できる機械式や光学式といった慣性計測装置もあるが、大型かつ高価格で、小型のドローンなどに搭載するにはコストとサイズが見合わないという課題があったという。今回の研究は、この中間の領域である小型のモビリティなどをターゲットに、機械式・光学式と同等の高い精度と小型モビリティに搭載可能な省スペースの両立を目指した開発が進められた。

開発目標は、2021年の防衛装備庁安全保障技術研究推進制度を活用する形で、10cc級(ペットボトルのキャップサイズ)の大きさで1NM/hの精度、そして160dBのダイナミックレンジ(DR)の実現という3点が掲げられている。特にこの精度はナビゲーショングレードと呼ばれ、バイアス安定性(BI)としてジャイロセンサでは0.01dph(1時間あたり0.01°のズレ)、加速度としては1μGの達成を目標として開発が進められてきたとする。

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