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NTTと東工大、物質の相転移を用いた光トポロジカル相転移を実現

マイナビニュース / 2024年9月6日 18時9分

具体的な手法としてはリソグラフィ技術を活用してシリコンベースのハニカム格子(フォトニック結晶)を形成。その張り出したシリコン部分の上に規則的にGSTをさらに形成した。ただし、フォトニック結晶の上に一様に形成してしまうと、pモード(双極子)とdモード(四重極)が一緒に動いてしまい、バンド反転が起こらないことから、pモードのバンド構造とdモードのバンド構造が異なることに着目。屈折率の変化によってpバンドだけを変化させる手法を考案することで、ホストとなるフォトニック結晶と相変化材料を異なるパターンとして形成することにしたという。

この構造を理論的に解析したところ、GSTが結晶相になった時、およびアモルファス相になった時、それぞれでバンド反転ができていることが導き出されたほか、実際にGSTがフォトニック結晶の格子に対して、理論通りに動作するのかを角度分解反射スペクトロスコピー測定にて計測。その結果、温度変化に伴い、理論に則する形でバンド反転とトポロジカル相転移がなされることを確認したとする。

なお、研究チームでは、物質の相転移で光トポロジカル相転移を実現したのは世界でも初めての実例としており、今後の再構成可能な光回路の形成につながり、新たな光情報制御技術への可能性が切り開かれたと説明。自身たちも、今後の研究の方向性として、今回の研究では200°ほどに昇温することで相転移を引き起こしたが、GSTは光パルスや電流パルスでも相転移を起こすことができることから、そうした光や電気を用いた相転移現象の制御を目指したいとしている。また、GST以外にも相転移材料は存在していることから、そうした新規材料の探索のほか、再構成可能な光導波路の実現ならびにその技術をベースとした再構成可能な光回路への応用発展につなげていきたいとしている。
(小林行雄)



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