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小惑星リュウグウの水は地球の海水に似た成分であるとJAMSTECなどが発表

マイナビニュース / 2024年9月6日 19時7分

さらに、リュウグウに含まれるマグネシウムは金属中でも鉄に次いで多量に存在しているが、同金属に富む無機鉱物が水から沈殿した順序を解明したという。リュウグウのマグネシウムは、ナトリウムと比較して20倍程度の含有量だが、水質変成を受けることでマグネシウムイオン(Mg2+)は層状フィロケイ酸塩、炭酸塩鉱物として優先的に沈殿したとする。一方で水からはマグネシウムが除去されるため、水質はナトリウムに富む組成へと化学進化を遂げたと考えられるとした。地球の海水中でもNa+は1番目、Mg2+は2番目に多い主要な塩分であり、リュウグウに存在した水でも同じ順序で主成分陽イオンとして溶存しており、初期太陽系における水を媒介した化学反応の履歴が突き止められた形だ。

今回の成果の鍵の1つは、極微小スケールの非破壊分析法の技術、極微量スケールかつ原子・分子レベルで元素・同位体比組成を高精度に評価する破壊分析法の技術だという。これらの技術基盤は、境界領域研究への波及効果に限らず、たとえば、物質科学的な一次情報の保証、基準物質の標準化の確立、革新的な研究開発を生み出す知識基盤の進展に貢献すると考えられるとする。

2020年代後半以降も、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の火星の衛星フォボスからのサンプルリターンを含む探査計画「MMX」など、サンプルリターン計画が実施される予定。今後、地球が誕生する前の太陽系物質科学として、始原的なイオン性基質を含めた可溶性成分や包括的な有機分子群の性状から、化学進化の統合的理解を深めることが期待されるとしている。
(波留久泉)



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