街角で人を褒めまくる“褒めますおじさん”に「素敵だな」 黒木華が語る“認めること”の大切さ

黒木自身も、「好きなところは“好き”と言いますし、“素敵です”とか、感謝の言葉はわりと伝えるようにしていますね」と、褒めますおじさんのように、相手を肯定することを意識しているのだそう。

また、役者という仕事においては、「自分の役がどんなに悪い人だったり、自分と合わなくても、すごく愛して否定することなく演じるようにしています。その作品が終われば、“この人変だな”とか“悪い人だな”と思うこともありますが、演じる瞬間はやっぱりその人の一番の理解者でありたい」という気持ちで臨んでいることを明かした。

●自身は褒められても「本当かな?」
様々な作品に出演する中で、視聴者、観客、ファンなどから褒められる機会も多いように思われるが、「私はSNSをあまり見ないようにしています。良い言葉も来ますが、悪い言葉も受け取ってしまうから。自分の中にネガティブな部分もあるので、褒めていただいても“本当かな?”と素直に受け取れない時もあります」とのこと。

今回のナレーション収録中も、ディレクターに「素晴らしい!」「完璧です!」と褒められていたが、「皆さん、気持ちよくお仕事をさせていただくために褒めてくださると思っていますから(笑)」と謙そんした。

かつてのドラマや映画の撮影現場では、褒められるどころか、怒鳴り声が飛び交うこともあったようだが、現在はハラスメント講習も行われるようになって大きく環境が変化。「ダメなことをしたら怒られるのは当たり前だと思いますが、怒ることで萎縮してしまっては、いいものは生まれないかもしれない。なので、褒めるとまでいかなくても、“認める”ことが大事なのではないかと思います」と実感を話した。

●黒木華1990年生まれ、大阪府出身。2010年、NODA・MAP番外公演『表に出ろいっ!』でデビュー。主な出演作に、映画『舟を編む』『日日是好日』『浅田家!』、ドラマ『花子とアン』『天皇の料理番』『重版出来!』『西郷どん』『凪のお暇』『イチケイのカラス』『下剋上球児』など。現在放送中のNHK大河ドラマ『光る君へ』に出演するほか、映画『八犬伝』が10月25日、『アイミタガイ』が11月1日に公開予定。
（中島優）