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「あなただけが頼りです」…すがる信長、室町幕府滅亡のキーパーソンに宛てた“未知の書状”が発見! 永青文庫で10月に公開

マイナビニュース / 2024年9月9日 16時15分

「どうしてこの文書が今まで誰にも気づかれずに、21世紀まで永青文庫の所蔵庫に眠っていたのか。まるでタイムカプセルを開けたみたい」と語った、熊本大学永青文庫研究センター長の稲葉継陽さん。これまでの文書で確認されていたよりもさらに前の状況が明らかになることで、信長の権力のあり方を大きく左右したキーパーソンとして、細川藤孝の存在もクローズアップされるといいます。

それでは細川藤孝という人物は、一体どんな人だったのでしょう。室町幕府家臣の三淵家に生まれた藤孝は、13代将軍足利義輝の奉公衆として台頭し、義輝暗殺後にはその弟・義昭の側近として、義昭と信長を結び付けて正統幕府を再興する大仕事をやってのけました。義昭側奉公衆の中でただ一人、信長を選んで室町幕府滅亡を実現し、「本能寺の変」後には明智光秀とは結ばず豊臣秀吉を選び、最終的に徳川家康に仕えて国持大名に。このように、ひとつ選択を間違えば家が滅亡するような薄氷を踏む状況の中で、この時期の天下人全員に仕えた藤孝の慧眼と処世術には、目を見張るものがあります。

「復古的な、天皇制的な国家の枠組みの中に大名たちを統合できるなら、天下人は誰でも構わないという、非常に透徹した政治を見る目を持った人物で、そんな人物は彼しかいない」というのが、稲葉先生による藤孝評。今回発見された文書はもちろんのこと、江戸初期にまで視点を広げて彼が成したことを位置づけて、この時期の政治史の中で評価することが重要と語っていました。
○永青文庫で秋季展「信長の手紙 ―珠玉の60通大公開―」が開催

この新発見文書を含む全60通(うち59通が重要文化財)の信長の手紙が、10月5日から永青文庫の秋季展で公開されます。ちなみに“信長の手紙”といっても、当時は書記官である「右筆」が筆をとるのが原則で、信長本人がしたためたことが確実な手紙は1通だけ。豪快な筆運びが特徴の信長直筆、細川忠興に宛てた「織田信長自筆感状」も展示に登場します。

さらに細川家伝来の香木「蘭奢待」、藤孝が13代将軍足利義輝より拝領した「柏木菟螺鈿鞍」(国宝)、細川ガラシャ作と伝わる雨具「露払」、藤孝(幽斎)筆『源氏物語』(熊本県指定重要文化財)など、細川家に伝わる珠玉のコレクションが多数おめみえ。室町幕府の滅亡から一向一揆との死闘、長篠合戦、荒木村重謀反、明智光秀による本能寺の変までの激動の10年間を、藤孝らの動向とともに読み解きながら、「革新的」「破天荒」「残虐」「超人」といった従来の信長のイメージは果たして真実なのかを貴重な歴史資料から迫る同展は、10月5日から12月1日まで、永青文庫で開催です。
(佐々木 ヒサ)



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