1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

東大、水素を用いた新規合成法で抗アルツハイマー薬の前駆体の合成を実証

マイナビニュース / 2024年9月9日 18時1分

水素を使う化学変換を基軸とする環境調和型の化学品製造のコンセプトは、より安価な原料からの出発が可能となるという新たな利点を副生したものの、より高難度な触媒的化学変換が必要になったという。そこで今回の研究では、高機能金属固定化触媒を開発し、「連続フローシステム」に取り込むことでそれが実現されたとのこと。なお連続フローシステムとは、原料、添加剤などを反応器の投入口から投入すると、反応器の反対側の取り出し口からは生成物が取り出されるという反応様式のことをいう。

さらに、この研究の最終目標は、複数の連続フローシステムを直列的に連結することで(連結フローシステム)、中間体や「共生成物」(主要生成物ではない原料や反応試剤に由来する生成物のこと)の取り出し・分離をせずに、原料から最終生成物までの変換を1つの流れの中で行うこととする。

連結フローシステムは、特に、連結の流れを分断する作業を組み込むことなく1つの流れの中で完結させる必要があることが難しい点だ。今回の研究においても、その実現には多くの予期せぬ障壁が伴い、解決が必要となったとする。しかし、適切な連続処理方法を組み合わせることで、理想的な化学品製造形態を構築することができたという。これにより、適切な反応設計と、優れた触媒を駆使することで、水素を活用する環境調和型化学品製造のコンセプトを実証することに成功し、複雑な構造を持つ高機能化学品であるドネペジルが、水素による分子変換によって連続合成が達成されたとした。

今回の研究成果は、化石資源からの脱却が求められる現在、水素のエネルギーとしての活用のみならず、化学原料としての活用も促進され、低環境負荷な化学品製造が発展することが期待されるとしている。
(波留久泉)



この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください