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Starlinkで山小屋にネット環境を、「山小屋Wi-Fi」がもたらした“山岳DX”

マイナビニュース / 2024年9月11日 15時0分

画像提供:マイナビニュース

登山人気の高まりを受け、携帯電話の電波が届かない山小屋でもWi-Fi経由でインターネットが使えるよう整備が進められています。その1つが、KDDIとWi2(ワイヤ・アンド・ワイヤレス)が提供する衛星ブロードバンドインターネット「Starlink」を活用した「山小屋Wi-Fi」。2023年8月2日より本格的にサービスを開始し、2023年度末は12カ所だったところ、今夏には約100カ所まで拡大しました。

インターネット環境を提供する山小屋Wi-Fiは、登山者の利便性や安全性が高まるだけではありません。「山小屋Wi-Fiがないとバイトが集まらない」と悩む山小屋のオーナー側にとっても少なくないメリットがあるといいます。山小屋Wi-Fiは山小屋や登山の環境をどう変えたのか、立ち上げから携わるKDDIの西原隆浩氏に“山岳DX”について話を聞きました。
山小屋Wi-Fiが山小屋の予約、決済、情報発信を変える

先日、乗鞍岳の山小屋に宿泊した時に、「山小屋Wi-Fi」のチラシが貼ってあることに気付きました。筆者は登山が趣味なので、山小屋Wi-Fiのサービスは知っていましたが、徐々に山小屋に普及していることを実感。調べてみると、約100カ所まで拡大していることに驚きました。

山小屋Wi-Fiは山間部や離島など、通常の電波が入りにくいエリアにスポット的に通信を作っていく取り組み。通常は光ファイバー回線が必要になりますが、山小屋までケーブルを引き込むのは現実的ではないので、Starlinkの通信衛星を介してWi-Fi環境を提供します。

「Starlinkは低軌道なので静止衛星と比べて距離が近く、通信衛星の数も多いので、オープンスカイであればどこでも高速、低遅延の通信ができるのが特徴です。これまで電波がまったく届いていなかった山小屋で通信可能になるのは大きな変化。『世界が変わった』と言ってくれる山小屋もあって、そこが山小屋Wi-Fiの価値だと思っています」と西原氏。

これまでまったく電波が届かなかった山小屋に街と同じような通信環境が整えられることで、電話予約と現金決済が基本という従来スタイルの山小屋に、オンライン予約やキャッシュレス決済が導入できます。なかでも、登山道の状況や天候などの情報をタイムリーにSNSなどでアップできるようになったことが、山小屋のオーナーから高く評価されているといいます。

「山小屋はケガをした人が運ばれてきたり、遭難者を捜索する拠点になるなど、インフラ的な役割をする場所でもあります。そのため、安定した高速データ通信ができる環境を整えることが重要だと考えます」(西原氏)。

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