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Starlinkで山小屋にネット環境を、「山小屋Wi-Fi」がもたらした“山岳DX”

マイナビニュース / 2024年9月11日 15時0分

スタッフの採用面でもインターネット環境の有無が作用するようです。標高が高い場所にある山小屋では、その多くが初夏から秋口までの営業になります。その期間は短期バイトを採用するわけですが、ネット環境がないと応募の数に影響が出てしまうそう。「従業員への福利厚生的な意味でもネット環境は必須」というオーナーの声も多いそうです。
山小屋Wi-Fiで最新情報を入手し、より安全な登山につなげる

一方、登山者側のメリットとしては、山小屋Wi-Fiを使ってネット接続できることで、家族や友だちなどに連絡が取れ、相手を安心させられます。このあとの天候やルートを確認したり、登山道の最新情報を知ることで、安全な登山にもつながります。

「auユーザーは無料で山小屋Wi-Fiを利用できるので、お試しで使っている人も多いと思います」(西原氏)。とはいえ、1日あたり100人以上が利用する山小屋もあるとのことで、登山者の利用が伸びていることが感じられます。

2024年7月12日には従来の2時間300円、24時間600円という料金に加えて、「povo2.0」の期間限定プランも登場。24時間の山小屋Wi-Fiに0.3GB(15日間)が付いて600円のプランや、よく登山する人なら山小屋Wi-Fiと1GBが30日間使えて1,580円のプランも登場しました。

「登山者のニーズとして、2つのキャリア回線を持った形で登山する人が増えている、という利用実態が見えてきました。山のエリアではドコモ回線が強く、それに対抗するためには基本的に月額料金がかからないpovoならばセカンドSIMとして導入してもらいやすいのでは、と考えました。povoはau回線なので、ドコモがつながらないエリアでもauがカバーしていれば登山道でpovoが使えます。auもドコモも入らない山小屋では、山小屋Wi-Fiでネットが使える世界観を作っていければと思っています」(西原氏)。

山小屋Wi-Fiが利用できるのは、設置予定も含めて以下のような場所の約100カ所の山小屋になります。筆者は乗鞍白雲荘で利用を試みたのですが、21時からの消灯時間以降は発電機が稼働しないことから、利用しそびれてしまいました。自家発電の山小屋ではサービス時間が限られるケースもあるので、よく確認して利用してください。
山小屋Wi-Fiの設置場所

北アルプス:槍ヶ岳、穂高岳などの山小屋31カ所
中央アルプス:木曽駒ヶ岳などの山小屋5カ所
南アルプス:北岳、赤石岳などの山小屋23カ所
富士山:5合目から頂上までの山小屋23カ所
八ヶ岳:赤岳や蓼科山などの山小屋5カ所
そのほか関東周辺、近畿、四国、九州の山小屋など
※数は設置予定を含む。2024年の営業を終了した山小屋もあり

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