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大人のインフラ紀行 第1回 神殿と呼ばれる巨大地下施設 - 水害対策の要となる『首都圏外郭放水路』は、あまりに神々しかった

マイナビニュース / 2024年9月18日 7時5分

画像提供:マイナビニュース

昨今、巷で流行るもの。
それはインフラツーリズム。

インフラツーリズムとは、公共施設である巨大構造物のダイナミックな景観を楽しんだり、通常では入れない建物の内部や工事風景を見学したりして、非日常を味わう小さな旅の一種である。

ダム・橋梁・道路など土木系公共財を観光資源として有効活用する施策であり、多くの関連施設を管理する国土交通省も奨励。政府が推進する訪日外国人旅行増加の目玉にも位置づけられ、注目度が高まっているジャンルなのだ。

知的好奇心をくすぐるこんなに楽しそうなことを、社会科見学の児童や学生、海外からの観光客だけのものにしておくのは惜しい。ということで、日常の散歩からちょっと足を伸ばすだけで、誰もが楽しめるインフラツーリズムを実地体験し、コラム仕立てで紹介。そのすばらしさを共有していきたいと思う。
○「ここは、地底国の神殿か?」との妄想も発動する圧倒的異次元空間

第1回は、こうした公共施設の潜在的価値を人々に認識させるきっかけともなったインフラツーリズムの聖地、地底に広がる「首都圏外郭放水路(しゅとけんがいかくほうすいろ)」を訪ねてみた。

まず思い出したのは、小学生のとき読んだ漫画『ドラえもん』の「地底の国探検」の回である。

地中に埋まった探し物を見つけるため、ドラミ(この回はドラえもんではなくドラミ登場)が出してくれた“ここほれワイヤー”を使ったのび太は、偶然、地下深くにとんでもなく大きな構造物があるらしいということを発見してしまう。

のび太は地底の国の存在を確かめるべく、ドラミとともに“地底探検車”に乗って地球の奥へ奥へと進むが、探検車が制御不能となり気を失ってしまう。やがて目を覚ましたとき、二人がいたのは巨大な神殿のようなところ……。

……今さらネタバレもないほど昔の作品なので結論を言うと、実はのび太たちは地底国ではなく、地球の中心を通り越し南米のマヤ文明遺跡にたどり着いていたというオチだった。

“防災地下神殿”との異名を持つ「首都圏外郭放水路」の、巨大な調圧水槽の中に立ち、頭のネジを意識的にちょっと緩めてみる。すると、小学生ののび太が感じたであろうワクワクとドキドキを、味わうことができた。

まさか、ここは地底国の神殿!?

あの階段を、恐ろしい地底人たちが降りてくるのでは……。なんてね。

○洪水防止の大きな役割を担う日本最大級の防災インフラ

心をおっさんに戻してまじめに解説すると、首都圏外郭放水路とは、埼玉県春日部市に位置する地下排水施設。洪水対策として建設された日本最大級の防災インフラである。

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