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NXP、1チップで測距とレーダーの両機能に対応したUWBセンサチップを発表

マイナビニュース / 2024年9月12日 6時4分

画像提供:マイナビニュース

NXP Semiconductorsは現地時間の9月10日、UWBセキュアレンジングと短距離レーダーの両機能を搭載した1チップソリューション「Trimension SR250」を発表したが、これに関する記者説明会が9月11日にNXPジャパンより行われたので、その内容をご紹介したいと思う。

NXPは2021年ごろから「Trimension」というブランドでUWB製品ポートフォリオを提供し始めている。2021年にはスマートTag向けにSR040という製品をリリースした事をアナウンスしており、そこからラインナップを拡充。2021年には「SR150」を発表しており、その後も車載向けなどに製品を拡充。2023年には測距と単距離レーダーを組み合わせた車載向け製品である「NCJ29D6」がアナウンスされている。今回発表のSR250は、このNCJ29D6の後継製品に当たる格好だ。

具体的に測距と単距離レーダーで何が可能になるか? という事であるが、車載向けで言えばNCJ29D6の時と同じようにセキュア・カーアクセス(スマートMobのリレーアタック対策)や子供の存在検出やシートベルト・リマインダなどの車内センシング、自動トランク・オープン用キック・センサを含む様々なジェスチャー認識などに利用可能としており、それはSR250も同じである。ただSR250は車載向けだけでなく産業/民生機器もターゲットとしており、例えばスマートホーム向けで言えばスマートロックにセキュア・カーアクセスと同じ技術を適用して自動で玄関の鍵を開けるとか、レーダーを使って存在確認をすることで、人の不在時はテレビを省電力モードに移行させる、ジェスチャーによるスマート家電の制御を行う、などの応用例が考えられるし(Photo02)、産業向けにおいても例えばアクセスコントロール(作業員の身に着けたタグを読み取って、正しい資格を持った作業員が居るときだけ機械を利用できる様にするとか、危険エリアに作業員が立ち入っていないかの監視などに利用できるとする(Photo03)。

こうした用途で広くSR250が利用できる、というのがNXPの説明である(Photo04)。

高い精度の距離測定や、数mの範囲でのレーダーなどをSR250で実現できる、という訳だ。ちなみにレーダーの機能はともかく測距に関して言えばBluetooth SIGがBluetooth 6.0に併せてChannel Soundingの機能を発表し、こちらでUWB並みの精度(と範囲)での測定が可能とされているが、これに関して篠﨑寿幸氏(NXPジャパンのリージョナルマーケティングマネージャ、セキュアトランザクション&アイデンティフィケーション製品)によれば「単に精度とかだけを見れば同等かもしれないが、UWBはns単位の短パルスで測定が行えるので、マルチパスなどに強い。例えば車内の様に狭い空間に多数の金属部品がある場所では、マルチパスが非常に影響してくるが、UWBではこうした場所でも確実に測定ができる」という説明で、用途次第で差別化が可能という見解であった。

ではSR250とNCJ29D6の違いは? という事だが、SR250ではオンチップでもある程度のレーダーデータの処理が可能であるのが大きな相違点になる(Photo06)。

もちろん複雑な処理は引き続きオフチップレーダー処理が必要になるが。ちなみにNXPからはソフトウェアが提供される。ここにはアップデートサポート付きのファームウェア、UWBのコマンドインタフェース用のAPI、更新可能なミドルウェア(C言語に対応したレーダー制御用APIを含む)、それとサンプルコードおよびサンプルアルゴリズムが含まれるとする。

SR250はすでにサンプル出荷中であり、2024年第4四半期に量産出荷開始予定となっている。またUWBのモジュールパートナー各社から同時期にモジュール製品も投入される予定、との事であった。
(大原雄介)

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