ペットも相続できる? お世話代の贈与や飼育団体との契約を遺言書に記す方法も
マイナビニュース / 2024年9月14日 11時0分
こんにちは、行政書士の木村早苗です。
今回は「ペットと相続」についてお話したいと思います。「ペットの相続」と言い換えると現実みがより伝わるでしょうか。
○加速する「ペットの高齢化」
平成から令和へと時代が移り、家の構造や家族構成が変化する中で、ペットも「家族」との認識になりつつあります。普段は家の中で過ごし、身体にいい材料でできたごはんとお水を欠かさず、おトイレの様子も確認しつつ、快適な室温を保つためクーラーはつけっぱなし。時期が来ればワクチンや健康診断を受けに行き、保険にもしっかり入って……と、この一文だけ見れば人間の赤ちゃんや子どもとほぼ同じです。
弊事務所にもねこの"くろ"相談役がいますが、完全室内飼いにしたのは、実は相談役が初めてです。実家ではいつも庭に迷い込んだ猫を飼っており、出入り自由にさせていたので、時にはケンカでひどいケガをしてくる子もいました。ただ、昔はその形が自然だったんです。
『サザエさん』のタマは、縁側から自由に出入りしていますよね。サザエさん一家はよく昭和の家族の象徴として扱われますが、ペットとの距離感も昭和のそれと言えるでしょう。
さて、完全室内飼いだと「弱い命は自然淘汰される」法則が、ペットには当てはまらなくなります。Instagramなどには15歳以上のシニア犬やシニア猫も多く表示されますが、そういった子たちが増えたと感じるのも無理はありません。2010年以来犬猫の平均寿命は伸び、犬14.76歳、猫15.62歳と右肩上がりの状態。うち高齢期となる7歳以上は犬54.3%、猫43.5%を占めているのです(「ペットフード協会 全国犬猫飼育実態調査2022年」より)。
理由としては、動物用フードを中心とした食生活の変化、医療の進歩、そして先にも書いた、完全室内飼いによる事故死や自然死の減少などです。飼育場所では、犬は61.4%が「散歩・外出時以外は室内」と増加傾向にあり、猫は80%以上が「室内のみ」ということからもわかります。
○飼育できなくなるケースを見越して対策を
動物は人より早く時間が進むので、ペットを看取る悲しみを経験したことがある方は多いことでしょう。ただし、当然ですが、人も歳を取ります。
WHOの定義では65歳以上がシニアとなりますが、例えば、ご自身が65歳で産まれたばかりの子猫を引き取るというのであれば、寿命が15年ならご自身も80歳までその子のお世話をできる元気と活力を保ち、さまざまな費用を負担できる金銭的余裕を蓄えていなければなりません。他の動物でもほぼ同じです。また犬やねこも人と同じく、認知症になる子や介護が必要になる子がいることは認識しておく必要があるでしょう。
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