阪大など、有機半導体を発電層に利用した有機太陽電池の性能向上に成功
マイナビニュース / 2024年9月12日 16時48分
開発された有機半導体分子「SpiroT-DCI」をアクセプター材料(光を受け取る材料)として、また高分子「PBDB-T」をドナー材料(電子を放出する材料)として使用した「バルクヘテロジャンクション型」(ドナーとアクセプターが薄膜全体でナノスケールの混合状態となっている接合構造のこと)の有機太陽電池が作製された。すると、SpiroT-DCIの小さな励起子束縛エネルギーを反映して、ITICや比較材料の「SpiroF-DCI」よりも優れた太陽電池特性が示されたという。さらに、SpiroT-DCIの単一成分膜を発電層とする太陽電池が試作された結果、最大で3.6%の量子効率が示され、エネルギー変換効率は小さいものの単成分型有機太陽電池としても機能することが見出されたとした。
今回の研究は、励起子束縛エネルギーの低減に向けた材料デザイン指針を提案する先駆的研究といえるとし、新知見に基づく材料開拓の展開を通じて、バルクヘテロジャンクション型有機太陽電池の性能向上や、単成分型有機太陽電池の実現が期待されるという。また研究チームは今後、新駆動原理・新デバイス構造に基づいた半透明有機太陽電池や有機系光触媒の開拓を推進するとしている。
(波留久泉)
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