カレー沢薫の時流漂流 第317回 マックの生成AI動画の騒動で、人間が株を上げた気分になる
マイナビニュース / 2024年9月16日 22時20分
目が2つで足が2本など、人間の基本設定は踏襲していても、目が顔面の2分の1を占めていたり、足が5メートルはありそうだったりと、本物の人間ではありえないバランスで描かれているキャラを、本物の人間より「いいね」と感じたりするのだ。
むしろ、人間も自分たちの造形が他の動物に比べて格段にキモいと本能的に理解しているせいかのか、「人間に近いが人間ではないもの」を見ると不気味に感じることがあり、この現象のことを「不気味の谷」という。
○西暦20xx年、人類はAIいらすとやに敗北した
先日、マクドナルドがAI画像生成によって描かれた女性たちがハンバーガー食べる絵を用いたCM動画を流したところ、「食欲がなくなった」という、飲食店としては致命的な批判が多数寄せられたという。
AI♡ポテト#月曜からポテトML250円#AIラブポテト※タップしてご覧ください pic.twitter.com/WFOUmHeJ0c— マクドナルド (@McDonaldsJapan) August 17, 2024
「彼女たちが頬張っているハンバーガーはどうみても男根のメタファー」など、いつもの性消費的批判ではなく、「何となく不気味」と感じる人が多かったようで、これは不気味の谷現象が起こったのではないか、と言われている。
しかし、特に違和感を感じないという人もおり、この批判はAI生成画像に対する嫌悪感込みで起こったのではないかという意見もある。
元々AIに嫌悪感を抱いている人なら、AI使用とわかった時点で拒否反応を示してしまうこともあるだろう。
しかし、法的な問題さえクリアできていえば、クリエイターに受注するよりAIに作らせた方が安上がりなので、今後もいらすとやさんのように、AI生成画使った広告類は増えると思われる。
だが、今のところAI画像を使った広告類で不自然さを感じることがあるのは確かだ。
指とかもあるのだが、そこまで目を皿のようにしなくても、表情が気になってしまう。おそらく、AIはシチュエーションに合わせて人間の表情を細かく描き分けるところまではできていないのだろう。
よって特にテーマのない一枚絵なら良いが、例えば「法律事務所の広告バナー」とかになると、「今からFXで債務整理をしようという奴がそのツラはないだろう、俺が弁護士なら断る」というような不自然さを感じることがある。
そう考えると、いらすとやさんの違和感のなさはすごい。
例え債務整理広告に満面の笑みの男女イラストが配置されていても、「こういう顔で来るギャン中夫婦依頼者いそう」という謎のハマりかたをしてくる。
(カレー沢薫)
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