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中小企業デットファイナンスの新潮流 第26回 参入が相次ぐベンチャーデットファンド

マイナビニュース / 2024年9月20日 8時0分

画像提供:マイナビニュース

前回は私募社債について説明いたしました。今回はベンチャーデットファンドについて取り上げます。

コロナ禍では企業の資金繰り対策の一環として様々な融資の制度が活用されましたが、従来の金融支援の枠組みではスタートアップをカバーしきれないことが判明しました。最終的にはセーフティネット保証4号・5号をはじめとする公的支援の利用条件が緩和されましたが、預金として集められた資金を貸す融資の仕組みにおいては金額や期間の面で起業家側のニーズに合致しないケースがあり、新たなプレイヤーの登場が望まれました。金融機関では対応が困難な資金使途(例えばエクイティ着金前のブリッジ資金)でも融資を実行する、ベンチャーデットファンドに関するニュースが最近増えています。

Webサイトの公開情報や新聞記事を調べていくと、融資期間を最長3年に設定しているファンドもあれば1年でロールオーバーしていくファンドもあり、金利の他に手数料・新株予約権を付加するファンドがある一方で企業が支払うコストは金利のみとするファンドが存在するなど、契約条件についてデットファンド毎に個性があることが分かってきました。
多様なプレイヤーが新規参入している中、ベンチャーデットファンドはスタートアップ金融市場にどのようなビジネスチャンスを見出しているのか、ファルス株式会社に話を伺いました。ファルス株式会社は、いわゆるプロ向けファンド事業者(適格機関投資家等特例業務届出者)であり、かつ日本の貸金業ライセンスを取得してローンファンド事業を展開しています。

○Q1.参入を決めた経緯について教えてください。

A1.まず、弊社設立の経緯から申し上げます。弊社は「インパクトファイナンス」の事業領域を主力とするプラットフォーマーになるべく、日本で設立されました。弊社オーナーは創業した会社を上場させた後に、シリアルアントレプレナーとして新興国の社会的課題を金融の仕組みを用いて解決することを目指し、カンボジア王国でマイクロファイナンス事業を開始しました。弊社グループでは現在、カンボジア王国の他、ケニア・ミャンマー・ラオス・フィリピン・マレーシア等で事業展開されている設立年数の浅いマイクロファイナンス機関様向けに投融資をしています。

各国では共通して現地での安定的な資金調達に大きな課題があることから、弊社では、日本の未利用金融資産を活用したファンド形式で、各新興国のマイクロファイナンス機関様への融資事業を行っております。海外マイクロファイナンス機関向けにベンチャーデット(ファンドを含む)を行ってきていると言えます。近年は、設立年数が浅い海外フィンテック企業様や日本国内スタートアップ企業様からデットによる資金調達のご相談も多くいただく中、起業家側の強いニーズがあるものと判断し、新興国マイクロファイナンス機関向け以外にも、国内におけるベンチャーデットの取り扱いを開始した経緯になります。まさに日本国内では「スタートアップ育成5か年計画」が策定された時期とも重なり、その背景にも合致しているものと考えて日々金融事業を行っております。
○Q2.組成したファンドの規模や予定している運用期間について教えてください。

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