日立、5Gを活用した鉄道向け信号システムをニューヨークと香港に提供

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日立製作所（日立）は9月19日、同社の鉄道システム事業を担う日立レールが、5Gを活用した都市鉄道向けデジタル信号システムをニューヨークと香港に提供することを発表した。

日立レールはこの度、ニューヨークのクロスタウン線と香港国際空港のAutomatic People Mover（全自動車両運転システム）では、列車と地上の重要な通信に従来の無線技術を5Gに置き換える。

列車を制御する鉄道信号システムの一つであるSelTrac CBTCは、列車から地上への通信を使用して、路線の運行管理をサポートする先進的なデジタル信号ソリューションで、地下鉄やライトレールの新路線や既存ネットワークの更新に広く導入。従来の信号システムと比較してより多くの列車本数の走行、安全性、信頼性を実現するという。

CBTC技術は現在、無線やWi-Fiに依存しているが、日立レールの5Gソリューションは従来技術の制限を取り除き、代わりにパブリックまたはプライベートネットワークを活用。5Gを使うことで、必要な 5G無線アクセスポイントの数が既存のWi-Fiに比べて少なくなり、路線上のインフラが大幅に削減されるという。

5Gには、トンネルなどの通信が難しい環境でも高性能な接続を維持できるなど大きなメリットがあるとし、大幅に広がった5Gの帯域幅により、日立レールのデジタルアセットマネジメントソリューションの使用が可能。列車データのリアルタイムレポートを提供することで、列車とインフラの運用・保守を最適化できるということだ。

5Gの事業者は、新たな無線インフラを設置することなく、拡張されたネットワーク容量を活用して追加サービスを提供でき、6Gなど将来の技術革新や後方互換性にも対応可能だという。日立レールは、5G通信を備えたSelTrac CBTCソリューションをニューヨークと香港の地下鉄に導入する。

ニューヨークではクロスタウン線にプライベート5Gネットワークを導入し、香港では国際空港の Automatic People Mover内にある既存のSelTracソリューションに5Gオーバーレイネットワークを導入している。これらは5Gを活用した重要な信号システム導入の初期プロジェクトの一つだという。

なお、日立レールは9月24日から27日にベルリンで開催される「InnoTrans 2024」において、5Gソリューションを含む都市鉄道製品を展示する。
（早川厚志）