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大阪公大、漢方薬やハーブティーの素材による認知症予防や脳の若返りを確認

マイナビニュース / 2024年9月20日 19時33分

画像提供:マイナビニュース

大阪公立大学(大阪公大)と帝人は9月19日、漢方薬やハーブティーの素材に、認知症を予防し脳を若返らせる作用があることを発見したと共同で発表した。

同成果は、大阪公大大学院 医学研究科 老化・認知症制御学寄附講座の富山貴美特任教授、同教授が起業した大阪市立大学(大阪公大の前身の大学の1つ)発のベンチャーであるセレブロファーマ、帝人との共同研究チームによるもの。詳細は、3本の論文にまとめられ、1本目は老化や高齢期の疾患に関する全般を扱う学術誌「GeroScience」、2本目は栄養学に関する全般を扱う学術誌「Nutrients」、3本目は生物学と医学の全般を扱う学術誌「eLife」に掲載された。

認知症は「アミロイドβ」(Aβ)、「タウ」、「αシヌクレイン」などの異常なタンパク質が脳に蓄積することで神経細胞が変性してしまい、その結果として発症すると考えられている。神経細胞が死んでしまった後では、そうした異常タンパク質をどれだけ取り除いても効果はないため、神経細胞が元気なうちから予防する必要がある。予防は中高齢期から亡くなるまでの長期にわたるため、認知症の予防薬には安全・安価で、さまざまな原因タンパク質に作用でき、傷んだ神経細胞を修復できること、さらには中高齢者が自らの判断で購入・服用できることが望まれる。しかし、単一成分からなる医薬品でこれらの条件をすべてクリアするのは困難だという。

また近年では、認知症や糖尿病など、加齢に伴って発症率が高まる加齢性疾患の背景には、身体機能の衰え=老化があり、特に細胞の老化が病気の発症・進行に重要な役割を果たしていると考えられるようになってきたことから、老化現象を制御することで加齢性疾患を予防・治療する試みも始まっている。そこで研究チームは今回、多彩な成分からなる食品であれば、上述の条件をクリアし、老化を抑制できるのではないかと考察し、研究に着手することにしたとする。

今回の研究では、東洋の生薬や西洋のハーブなど、天然の素材から認知症への効果が期待できるものを探索することにしたという。漢方薬の素材である酸棗仁と石菖葉(通常は根茎が用いられるが、今回の研究では葉が採用された)、ハワイのハーブティーであるママキ葉が着目された。ママキについては、認知症予防食品を開発するために設立されたセレブロファーマ単独で、酸棗仁と石菖は帝人と共同でそれぞれ研究が開始された。

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