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カレー沢薫の時流漂流 第318回 平等と商業は相性が悪い? 焼肉半額の条件が性別から年収になる日

マイナビニュース / 2024年9月23日 12時50分

画像提供:マイナビニュース

炎上騒動の中には、概要を1ミリも調べずとも、Xのトレンドワード、そしておすすめ欄で怒っている人のつぶやきを見るだけで、大体何が起こっているのか予想がつくものがある。

先日起こった焼肉チェーン「牛角」の炎上はまさにそれであり、Xを見ただけで「牛角が女性だけ半額のキャンペーンをやって燃えたのだろう」と予想がついたので、あえて詳細を調べたりはしなかった。

だが後日、こうやって記事の題材に挙がって来たので改めて詳細を確認してみたところ、大体予想通りであった。

このように改めて説明するまでもない話なのだが、牛角が食べ放題の料金を女性だけ半額にしたところ「男女差別である」として炎上、特に男女が常に断絶していることで有名なXでは1日中トレンドに「牛角」が上がり、いつもの男VS女の論争が繰り広げられる事態となった。
○なんで多様性で喧嘩ばかりになってしまうのか

だがこの炎上に関しては、キャンペーン内容の是非以前に「何故こんなことをしたのか」と訝しむ声も多かった。

今、世の中は差別に関して非常に敏感であり、特に男女差別に対してはメロスのように激怒する準備ができている。

特にXは北に男女の諍いがあれば「オモシロイカラモットヤレ」と言いに行く、逆宮沢賢治の巣窟である。

先日しまむらが、パパディス商品を販売して燃えたように、男女差別を理由に燃えた案件は数が知れない。

今までそんな汚い花火を何発も見ているはずなのに、「女性だけ半額」という明確に男女差をつけた企画を行ったことに牛角に対し、憤りより、現場猫より純粋な「どうして」を感じた者も多かったようである。

ただ、牛角も何の理由もなく突然女性半額を始めたわけではない。

どうやら「TOKYO GIRLS COLLECTION」とのコラボ企画だったようである。

そもそも「少子化対策」と「多様化促進」の相性が良くないように、「平等」と「商業」の相性もみつはしちかこが描く嫁と姑程度には相性が悪い。

起業理念的には「差別絶許」と掲げはしても、実際には「女性向け」「男性向け」などターゲッティングが必要な場合も多く、ターゲット層が喜ぶ商品や企画を立てた結果、ターゲット外の人間が不満を抱く結果になることもあり、それに対し「お前はハナからターゲットではない」と言ってしまったら、また燃えることになる。

「TOKYO GIRLS COLLECTION」はガールズと言っているように、完全に女性向けアパレルイベントである。

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