“オフロード版TZR”と言われたカッ飛び系アドベンチャーバイクの名前は?
マイナビニュース / 2024年10月4日 11時30分
●
未舗装路も走れる「アドベンチャー系」バイクはクルマの「SUV」に該当する人気のジャンルですが、今では考えられない過激なモデルがあったのをご存じでしょうか?
ヒント:レーサーレプリカ「TZR250」のエンジンを積んだ異色のモデルです
「TZR250」と言えば1980年代のヤマハ発動機を代表するレーサーレプリカですが、そのパワフルな2ストロークエンジンを搭載していました。
――正解は次のページで!
●
○問題をおさらい!
正解はこちら!
○【答え】「TDR250」
正解はヤマハ「TDR250」でした!
「TDR250」は1988年にヤマハが発売したモデルです。今で言うアドベンチャー系のスタイルですが、カウル内に水温計とインジケーター、ハンドルには180㎞/hまで刻まれたスピードメーター、そして燃料タンク上にタコメーターという独特のメーター配置や、左右にせり上がった太いチャンバーなど、何やらタダものではないオーラを放っています。
実はこの「TDR250」、建前上はオン(舗装路)/オフ(未舗装路)両用のデュアルパーパスモデルですが、その心臓はオンロードスポーツ「TZR250」譲りの水冷2ストローク並列二気筒エンジンで、クラス規制値いっぱいの45馬力というパワーを持っていた異色のモデルでした。しかし、なぜこんなバイクが生まれたのでしょうか?
1980年代は空前のバイクブームと言われ、オートバイは急激な進化を遂げました。オンロードはより舗装路向けに、オフロードはより未舗装路向けにと、ジャンルに特化して性能が向上しますが、その一方で汎用性の低下というネガな部分も出てしまいます。
前傾ポジションで足廻りも硬いレーサーレプリカでは林道を走ることができず、オフロードモデルはオン/オフ両用を意味する「デュアルパーパス」と呼ばれるものの、長いサスペンションは車体の動きが大きく、高速走行性能が犠牲になっていました。
そこでヤマハは、オン/オフを両立させるモデルを考案します。開発ステージに選ばれたのは北海道で、オンロードモデルの「TZR」や「RZ」で未舗装路を、オフロードモデルの「DT」や「セロー」で舗装路を走り込み、最適解として出されたのが「TDR250」だったというわけです。開発中のプロトタイプはラリーレイド用に仕立てられ、エジプトのファラオラリーでクラス優勝という栄冠も勝ち取りました。
市販された「TDR250」はオンロード色が強く、ワインディングでは抜群の速さとコントロール性を持っていましたが、レーサーレプリカ全盛の時代に異形のデザインは理解されず、モトクロスや林道走行がメインのオフロードユーザーからも重さや大きさを理由に敬遠されてしまいました。ただし、一部のライダーやジャーナリストは「TDR250」の素性を見抜いており、“影の公道最速マシン”として知られていたようです。
「TDR250」は一代で姿を消しましたが、その後はレーサーレプリカが廃れ、オフロードモデルによる林道ブームやモタードへのカスタム、そして現在はラリーレイドにも通ずるアドベンチャー系が人気のジャンルとして確立しています。2ストロークが廃止されなければ「TDR250」の後を継ぐようなカッ飛び系アドベンチャーも誕生していたかもしれませんね?
それでは、次回をお楽しみに!
津原リョウ 二輪・四輪、IT、家電などの商品企画や広告・デザイン全般に従事するクリエイター。エンジンOHからON/OFFサーキット走行、長距離キャンプツーリングまでバイク遊びは一通り経験し、1950年代のBMWから最新スポーツまで数多く試乗。印象的だったバイクは「MVアグスタ F4」と「Kawasaki KX500」。 この著者の記事一覧はこちら
(津原リョウ)
この記事に関連するニュース
-
目指したのは「セロー」のようなe-Bike!クロスセクションの「eEDIT 275」に試乗
&GP / 2024年10月20日 7時0分
-
2ストはここまで進化した!? ヤマハの最新「YZ125X」と「YZ250X」なら極低速でも粘る・進む!!
バイクのニュース / 2024年10月19日 11時10分
-
最初に「XL」を名乗ったオン/オフモデル ホンダ「XL250」に見るメカニズムの進歩
バイクのニュース / 2024年9月23日 19時40分
-
街中から荒野へ! 400cc以下の『アドベンチャーバイク』6台【最新ヒット良品と秘密基地づくり】
&GP / 2024年9月22日 20時0分
-
ジェントルになったモンスターマシン!KTM「DUKE」シリーズのフラッグシップがすごい
&GP / 2024年9月22日 7時0分
ランキング
-
1ガストとサイゼ、「ファミレス衰退」での戦略の違い ちょい飲みに適応と、ファストカジュアルへの移行
東洋経済オンライン / 2024年10月19日 8時30分
-
2トヨタ新型「ハイエース!?」に反響殺到! 「カッコ良い」「室内広くて車中泊イケそう」「デカすぎ」の声! 特許庁公表で“市販化”の期待高まる「グローバルハイエース」に熱視線!
くるまのニュース / 2024年10月19日 17時10分
-
3「この人、運転上手いな」と思う瞬間 2位「駐車がスムーズ」を超えたのは気遣いと技術が分かるシーン
よろず~ニュース / 2024年10月13日 11時40分
-
4セブンの「上げ底弁当?」が今また"猛烈批判"の訳 値上げによる客離れを恐れ、ファン離れが発生か
東洋経済オンライン / 2024年10月20日 8時20分
-
5ワークマンとGUの「2000円台パンプス」を徹底比較!1時間履いて歩いてみると違いは歴然
女子SPA! / 2024年10月19日 15時46分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください