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立教大、カーリングのストーンを曲げるのにどこを掃けばいいのかを解明

マイナビニュース / 2024年9月26日 20時52分

しかし、効果が測定できるほど大きくないと考えられるほか、測定の度に石の摩擦やスウィーピング自身などによって氷の状態が変化し、得られた効果がスウィーピングによるものなのか、状態が変動してしまうことによる誤差なのかの判断が難しいことから科学的な検証には困難が予想されたとする。そのため、効果が乱雑に生じるタイプの誤差に関しては、偶然のふらつきを平均化するために可能な限り多数回の測定が行われ、ストーンの発射速度も一定に保つように特別に発射装置が開発された。

さらに、多数回の測定によっても平均化されない、試行に一律に加わる好ましくない効果である「系統誤差」を相殺させる測定が工夫して行われ、物理学の手法を応用して得られた結果を統計的に慎重に解析することにしたとする。氷の状態の変化による誤差を抑制するため、スウィーピングなし、ありの測定を氷の上の同じ場所で行って停止位置を計測し、一組ごとに未使用の場所に変えて全部で39組、78回の試行が行われた。

得られた結果は、専門的には「スウィーピングあり、なしの差はゼロ」から2シグマ(標準偏差)の逸脱を示し、「効果なし」とする仮説を95%の信頼性で棄却できるものとした。これは、「実際には効果はなく、逆を掃けというアドバイスが間違いである可能性」が5%ほどは残っているが、95%は正解であるということだという。

またストーンの投擲では、常に変化する氷のコンディションを正確に読むことが重要だが、氷の摩擦係数を正確に計測できれば有利になることは間違いないとのこと。今回の論文では、曲げスウィーピングの効果だけでなく、選手が競技でも使用できるストップウォッチのみを用いて、氷のコンディション(氷上の摩擦係数)、つまり滑りやすさを測定する方法なども提示しているとした。

なお荻原選手は、今回の研究成果を知った直後に行われた当時の世界ジュニアカーリング選手権大会において銀メダルを獲得し、早速曲げスウィーピングの効果を有効活用することに成功したとしている。
(波留久泉)



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