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立教大など、有機半導体高分子を用いて脳機能を模倣したネットワークを作成

マイナビニュース / 2024年9月27日 16時40分

高分子材料には、一般的な有機半導体高分子材料として知られる「ポリ(3-ヘキシルチオフェン)」(P3HT)が用いられ、さらに導電性を付与するために代表的な低分子ドーパント(高分子主鎖の電気伝導性を担う電子やホールを注入するための材料)である「F4TCNQ」が用いられた。その結果、液晶混合展開法を用いることで、有機半導体高分子からなる単分子膜ネットワーク構造の作製に成功し、その二次元膜密度やドープ割合、膜厚、分子配向といったナノ構造を精密に制御することに成功したという。

次に、そのナノ構造と電気特性との相関が系統的に調査された。すると、二次元的に広がったネットワーク構造を示す単分子膜においてのみ非線形の電気伝導特性が見られ、二次元に制限されているネットワーク型の伝導経路が非線形の電気特性を発現するための重要な因子であることが突き止められたとする。このようにして調製された導電性高分子の単分子膜ネットワークは、非線形性や高次性、短期記憶といったマテリアルリザバー素子に必要とされる3つの特性を示すことも確認された。

今回の研究で用いられた手法は、一般的に広く知られるさまざまな有機半導体高分子に適用することができる汎用的な手法であり、高分子材料ベースのニューロモルフィックマテリアル開発へ向けた強力な手法になることが期待されるという。また、今回の研究は従来の構造制御がなされていないランダムなナノ構造を有するニューロモルフィックマテリアル(神経模倣材料)とは異なり、用途に応じて自在に構造制御しうる同マテリアルの新たな設計指針となり、この分野の研究を加速させることが期待されるとしている。
(波留久泉)



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