1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

佐野正弘のケータイ業界情報局 第136回 ソフトバンクがスマホの単体販売を一部終了、理由は「1円スマホ」にあり!?

マイナビニュース / 2024年10月2日 17時0分

そこに目を付けたのが転売ヤーで、大幅値引きがなされたスマートフォンを大量購入して転売するため、携帯ショップに多くの人を並ばせて買い占めてしまう行為が横行しました。そのことを問題視した総務省が議論の末、2023年末に電気通信事業法を一部改正。1円スマホの販売手法を規制するに至ったのですが、その新たな規制が今回のソフトバンクの措置と密接につながっているのです。

携帯各社にはデメリットしかないスマホ単体販売

改正された電気通信事業法では、端末の割引額上限に変更がなされ、44,000円以下であれば22,000円、44,000円から88,000円まではその50%、88,000円以上は44,000円という変動制になりました。ですが、この時にはもう1つ、1円スマホの手法を規制するため大きな変更が加えられているのです。

それは、規制対象の通信事業者が端末販売する場合、端末を単体で販売する際にも上記の値引き規制を受けること。改正前の電気通信事業法では、通信契約に紐づいた値引きは22,000円までに規制される一方、端末を単体で販売する際の値引き規制がなかったことから1円スマホのような値引きが可能だったのですが、一連の問題を受けてそちらも一律に規制し、大幅値引きをできなくしたのです。

その結果、規制対象の通信事業者は誰に端末を販売しても一律の値引き規制を受けるため、通信契約者と非通信契約者に同じ価格で販売する必要がなくなりました。しかも、改正後の電気通信事業法では、規制対象の通信事業者に端末の単体販売を求めてはいないことから、それを受ける形でソフトバンクは大部分の端末の単体販売を取りやめるに至ったものと考えられます。

そもそも携帯電話会社にとって、スマートフォンの単体販売は“やりたくないもの”でもあります。菅政権下での携帯料金引き下げで携帯大手3社が経営に大きなダメージを受けたように、携帯電話会社の“虎の子”というべき主な収入源は毎月の通信料であり、スマートフォンの販売はその契約につながる副次的なものに過ぎません。

それゆえ携帯各社は、通信サービスの契約数を増やすことに非常に重点を置く一方、スマートフォンの販売がメインのビジネスではないことから、大幅な値引きで安く販売して顧客を獲得し、通信契約を増やすことに重きを置いてきました。それを収入にほぼつながらない非通信契約者に激安で購入されてしまうことは、携帯電話会社にとってデメリット以外の何者でもないのでやりたくない、というのが本音なのです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください