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NTTら、センシング機能を付与したIOWN APIにより交通流モニタリングを実現

マイナビニュース / 2024年9月30日 13時27分

画像提供:マイナビニュース

日本電信電話(NTT)、東日本電信電話(NTT東日本)、西日本電信電話(NTT西日本)、日本電気(NEC)は9月30日、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)のAPN(All-Photonics Network)に光ファイバセンシング機能を付与する接続構成を考案したことを発表した。

また、この構成を、既に地下に敷設してある複数ルートの通信用光ファイバ(NTT西日本管の大阪市内)へ適用することで、光ファイバセンシングによる面的なエリアの交通傾向の把握および交通状況のリアルタイム可視化とトレンド分析が可能であることを実証したとのことだ。IOWN APNでの光ファイバセンシングにより、都市モニタリングの面的展開が低コスト、迅速、柔軟に実現可能になるという。
○開発の背景

通信用光ファイバをセンサとして用いる光ファイバセンシングは、工事振動の検知、道路除雪判断の支援、通信設備保守運用などの効率化に関する実証実験や技術導入が進み、新たな社会的価値を創出する技術として期待される。

IOWN APNと光ファイバセンシングを組み合わせることでIOWN APNによる大量かつ高速なデータ転送を生かした高度なデータ解析が可能になり、センシングデータの活用を促進できると考えられる。

さらに、IOWN APNを構成するAPN-Gateway(以下、APN-G)の光パス選択機能を利用することで、一つの光ファイバセンシング装置でAPN-Gに接続された既設の複数の通信用光ファイバが測定可能になる。

○技術のポイント

光ファイバセンシングは光の往復伝搬を利用して測定するため、IOWN APNの光パス上に配置される一方向にしか光を通さないデバイス(光アンプなど)を回避する構成で光ファイバセンシング装置を接続する必要がある。そのため方向性結合デバイス(光サーキュレータ)を用いて、APN-Gの一方向にしか光を通さないデバイス(光アンプ)を回避して往復したセンシング光を取り出すことが可能なAPN-Gと光ファイバセンシング装置の接続構成を構築。

通信光ファイバケーブルや地下管路などには何も手を加えずに測定が可能であるため、既存の設備を有効活用して広域エリアからセンシングデータを取得可能。さらに、高速道路などの長い直進道路とは異なり交差点などが多く存在する一般道の短い直進道路でも、速度や台数を検出できるよう解析を実施したとのことだ。

○実証実験の成果

共同実証は2023年12月~2024年1月にデータを計測し、2024年2~7月に解析と有用性の検証を行った。5台の振動センシング装置をAPN-Gに接続し、既設の通信用光ファイバケーブルの5ルート(延べ37キロメートル、8キロメートル四方範囲に配線)に対して交通振動を面的に同時に測定した。

この交通振動を車速解析アルゴリズムで解析したところ、一般道の通行車両の平均車速、道路の交通量とその時間変化を200メートルメッシュの粒度でリアルタイムに可視化できたとのことだ。また、車両の速度と台数の解析結果は5地点で現地測定した正解データと一致する傾向を示すことも確認している。
(熊谷知泰)

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