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ピラミッド作りにも活用! 地上から宇宙まで回転を支えるベアリングとは?

マイナビニュース / 2024年9月30日 14時12分

画像提供:マイナビニュース

我々の生活を陰で支えている「ベアリング」という存在をご存じだろうか? ベアリングは、我々が生活の中で使用する冷蔵庫や掃除機などの家電製品、自動車、電車、飛行機などの乗り物といった多くの機械の回転部分を支えている。そんなベアリングについて今回は世界でも高い市場シェアを誇るNTNの軸受事業本部の方たちにお話を伺った。
産業のコメ! ベアリングの仕組みと深い歴史

ベアリングとは、機械の中の軸をなめらかに回転させる部品のことをいい、「軸」の回転を「受」け、支えることから「軸受」とも呼ばれている。構成としては、内輪、ボールやころ、外輪の3層で構成され、内輪と外輪(軌道輪)のあいだにボールやころ(転動体)を敷き詰めるほか、転動体が軌道輪から外れたりボール同士がぶつかったりするのを防ぐ「保持器」を付け、転動体が転がりやすいように潤滑剤を満たすことで、なめらかに回転し、さまざまな機械の回転部分を支えている。大きさは、小さいものでは直径数ミリ、大きいものでは風車に用いられる直径数メートル以上のベアリングもあるとのこと。

そんなベアリングの歴史は、紀元前にさかのぼると言われており、古代エジプトのピラミッド作りにも活用されていたとされている。

ピラミッドなどの巨大な建造物を作るには、人間の力だけでは到底運べないような大きく重い石をいくつも運ぶ必要があったとされているが、現代あるようなクレーンやブルドーザーなどの機械はない時代。そうした中で、当時の人が注目したのが「摩擦」だった。人々は、地面に円柱形の「ころ」を置き回転させることで摩擦を軽減させ、なめらかに動かし最小限の力で石を運んだという。

この「ころ」の原理が元となり進化することでベアリングが生まれ、イギリスで起きた産業革命によって世界へ普及していった。また、このベアリングの構造はイタリアの芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチが当時スケッチに描いていたアイデア構造とほぼ同じであることから、レオナルド・ダ・ヴィンチは「ベアリングの父」と言われているという。

こうした起源にもあるように、ベアリングの役割はまさに「摩擦を0に近づけ、回転をなめらかにすること」である。摩擦を0に近づけることで、回転に必要なエネルギーを少なくでき、その分かかっていただろう燃料を抑え、エネルギー効率を向上させることが可能となる。普段目にする機会が少なく、日の目を浴びる存在ではないものの、工業製品に欠かすことのできない存在であることから「(機械)産業のコメ」と呼ばれているベアリングは、「カーボンニュートラルや環境問題にも密接に関係する重要な存在です」と担当者は語っていた。

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