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日本精工、工作機械の生産性向上を可能とするグリース潤滑式主軸軸受を開発

マイナビニュース / 2024年10月7日 6時30分

画像提供:マイナビニュース

日本精工(NSK)は10月4日、グリース潤滑方式を採用した工作機械主軸用精密単列円筒ころ軸受「ロバストライド(ROBUSTRIDE)」を開発したことを発表した。

工作機械に用いられ、工具を回転させる主軸は所望の形状や寸法、精度を実現するための重要なユニットで、その加工を実現するために円筒ころ軸受が用いられている。こうした主軸軸受の潤滑方式は大きく2種類に分けられる。1つは、運転中の給油があるオイルエア潤滑方式。もう1つは運転中の給油がないグリース潤滑方式。近年、脱炭素に向けた動きとして、給油のための付帯設備に電力が必要で、潤滑油と圧縮空気の混合流を噴射するために周辺の空気を汚してしまうオイルエア潤滑に対し、そうした付帯設備を用いずに、グリースの封入だけで使用できるグリース潤滑に注目が集まるようになっているという。

しかし、従来のグリース潤滑では、グリースの劣化による軸受損傷や、劣化に伴う頻繁な軸受交換といったメンテナンスサイクルが短いこと、高速回転時に劣化しやすいため、使用回転領域に制限があるといった課題があったという。NSKでは、産業界のCO2削減などを掲げており、グリース潤滑における「軸受の長寿命化(グリース寿命の向上)」ならびに「軸受の高速化(許容回転数の向上)」を目指した開発をすることを目指したという。

具体的には、軸受が回転するとき、保持器がどの部品に支えられながら回転するのかを示す方式である案内方式に着目。既存の「ころ案内保持器」は、耐久性が低いため軸受が許容回転数が低くなるという課題があったのを、軸受内部の設計と保持器の形状および材料の最適化を図ることで、従来のころ案内保持器比で最大80%の耐久性向上を達成。また、容量空間を広くとることも可能とし、これによりグリース封入量の増加を実現。現行の外輪案内保持器比でグリース寿命を最大約60%向上させたとする。

また、保持器の形状強度の向上、ならびに材料の見直しによる耐久性の確保に伴い許容回転数の向上も実現。(軸受内径サイズ)φ55mmの場合で、現行品では13000min-1のところ、開発品では16000min-1まで向上させるなど、許容回転数も最大20%向上させることも実現したほか、余剰グリースの排出性を改善したことで、スムーズにグリースが適正位置に流れるようになり、グリース慣らし運転時間を約1/3に短縮することを可能にしたという。

なお、同製品は一般部品および自動車部品加工機向け・マシニングセンタ主軸をターゲットに、市場の反響を踏まえながら2025年度の量産化を目指すとしており、2030年には年間10億円の売り上げを目指すとしている。
(小林行雄)

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