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“信長の肉声”つまった大迫力の60通!「信長の手紙 ―珠玉の60通大公開―」永青文庫で開幕-感情昂る直筆や、新発見の書状も

マイナビニュース / 2024年10月15日 7時40分

画像提供:マイナビニュース

東京・目白台の永青文庫で秋季展「信長の手紙 ―珠玉の60通大公開―」が始まりました。所蔵する59通がすべて重要文化財に指定され、直筆であることが確実な唯一の手紙をも含む点で、質量ともに突出している細川家伝来の織田信長の手紙コレクション。同展は、2022年に永青文庫の収蔵庫で新たに発見された手紙も含む全60通の珠玉の信長の文書を通して、室町幕府の滅亡から本能寺の変までに至る激動の10年間を読み解き、真の信長像に迫るものとなっています。

永青文庫は、初代細川藤孝(幽斎)と2代忠興が礎を築き、肥後熊本54万石を治めた細川家に伝わる数多くの重宝を所蔵する“大名家の美術館”です。2022年に同館の収蔵庫で、熊本大学永青文庫研究センターとの共同調査によって、新たに60通目となる細川藤孝宛織田信長書状1点を発見。それまでの59通のなかで一番古いものよりさらに半年前の日付で、検討の結果、この書状の年代は元亀3年、つまり室町幕府の滅亡、将軍足利義昭の京都没落の約1年前に書かれたものと結論づけられたのです。
○新発見! 藤孝宛て織田信長書状が示すこと

藤孝に宛てた書状の中で信長は、「元亀3年の年頭から、将軍足利義昭の側近衆は誰ひとり、手紙も贈り物もを寄こさず絶交の状態になっているが、そんななかで藤孝、あなただけは毎年のように私に音信してきてくれる、本当にうれしい。大事な時期になった今、あなただけが頼りなので、京都の南から大阪までの間の有力な領主たちを信長派に引き入れて欲しい。それはあなたの働きかけにかかっています」といった内容を記しています。

これは、将軍足利義昭の側近衆と信長とが激しく対立し始めていたなかで唯一、藤孝だけが信長と通じる関係にあったこと、さらに京都没落の前年から畿内領主たちへの藤孝の諜報活動が本格化していたことを記す非常に大きな新発見だと、調査にあたった熊本大学永青文庫研究センター長の稲葉継陽先生はこの文書の意義を強調します。

「そもそも足利義昭と信長とを結び付けたのも、信長が義昭を将軍に担いで京都に幕府体制を再建させた立役者となったのも藤孝。最終的に“室町幕府滅亡のキーマン”となったこの藤孝という人物の政治史上の位置付けを、もう一度検討すべきだとこの史料が教えてくれます」(稲葉先生)
○感極まって自分で書いた!? 直筆から垣間見える信長像

同展には60通の「信長の手紙」が登場しますが、実際に信長自ら筆を執っていたわけではありません。当時の武将の手紙というのは、右筆(ゆうひつ)という書記官が口頭で伝えられた内容を文書にし、本人はそれを確認して最後の署名、いわゆる花押だけ書くものでした。信長の場合には花押のほかに、「天下布武」印も使われています。

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