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NTT Comとミライセンス、触覚を遠隔地にリアルタイムで伝える実証実験を開始

マイナビニュース / 2024年10月10日 8時11分

画像提供:マイナビニュース

NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)とミライセンスは10月9日、IOWN APN(All-Photonics Network)と3DHapticsを組み合わせ、遠隔地の間で視覚・聴覚・触力覚を遅延無く伝送することによってリアルタイムで相手を誘導する実証実験を開始した。

実証は10月9日~11日の期間中、NTT Comの展示イベント「docomo business Forum'24」内に設置したブースで実施される。両社は映像や音声だけでは伝えにくい「動き」や「感触」を伝送することで、新しいコミュニケーションのサポートを目指す。
○3DHapticsの技術の概要

3DHapticsは産総研の中村則雄博士らの研究による「錯触力覚」をベースとする技術。皮膚にある特殊波形パターンの振動刺激を与えると、脳が錯覚し、リアルな振動や力覚感を感じるというもの。

ミライセンスが開発する3DHaptics技術は、1つのデバイスだけで、引っ張られている方向が分かる「力覚感」、物体表面のざらざら感が分かる「表面材質感」、物の硬さや粘っこい感覚が分かる「圧力感」などを再現可能。同社はこれら3つの感覚を、色の三原色になぞらえて「三原触」と呼んでいる。

ミライセンス事業開発部で部長を務める生島寛之氏は「3DHapticsは1つのデバイスで3つの感覚を合成して伝えられるため、ほぼすべての感触を再現できる」と説明していた。

○IOWNと3DHapticsによる実証実験

実証では、人と機械をインタフェースとした伝送に強みを持つミライセンスの技術と、音声や映像を用いた超低遅延なコミュニケーションを強みとするNTTグループのIOWNを組み合わせることで、映像や音声だけでは伝えるのが難しい動きや感触を用いたコミュニケーションの創出を目指す。

実証はdocomo business Forum'24内のデモブースに、ナビゲーター(作業を伝える人)とオペレーター(実際に作業をする人)を、約20キロメートル離れた想定の模擬遠隔環境を構成して実施。なお、両地点間はIOWN APNで接続される。非圧縮動画、音声、3DHapticsを同時に転送し、遅延なく双方向のコミュニケーションが図れるかを確認する。

デモブースは小売店舗を想定。ナビゲーターは力触覚を用いて、オペレーターを目的の商品まで誘導するというシナリオで進む。オペレーターの様子は映像でナビゲータにフィードバックされ、リアルタイムにコミュニケーションすることで正確な指示と支援につなげる。なお、両者間の遅延は約0.1ミリ秒以下で伝送可能との想定だ。

NTT Comでデジタルソリューションを手掛ける大塚雅代氏は「ユースケースとして、離島や地方で軽度な介護が必要な人に対してリハビリや買い物の補助ができるようになると考えている。また、新人の作業員に対してベテラン作業員が一方通行ではない触力覚の指示を行うことで協調作業を実現することで、業務を効率化する可能性も考えられる。パートナー企業らが来場するdocomo business Forum'24でデモを行うことで、さらなるユースケースを一緒に作り出せたら」とコメントしていた。
(熊谷知泰)

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