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酸化モリブデン/カーボン系触媒の常温・短時間合成技術を名工大が開発、水質浄化などでの活用に期待

マイナビニュース / 2024年10月17日 6時51分

さらに試作された光熱変換触媒担持シートを水面に浮かべ、光(近赤外光)を照射したところ、速やかに温度が上昇し、水面付近が局所的に高温になる現象が観測され、3.29kgm-2h-1という水蒸発速度が達成されたほか、約90%のエネルギー変換効率および長時間安定性を示すことが示されたとする。

加えて複合構造の形成により、光エネルギーを化学反応に変える光触媒の機能も同時に発現することも判明。光触媒による優れた酸化分解促進によって、可視光・近赤外照射下でアゾ色素系汚染物質を短時間での分解・除去できることが確かめられたほか、MoOx相の構成組成を制御することが性能の最大化に重要なことも確認されたとする。光の非照射状態でも汚染物質および重金属類を高効率で除去できたともしており、分析の結果、副生されたカーボンの表面構造が酸触媒機能やイオン吸着能の向上に寄与することが確認されたともしている。

なお、研究チームでは、今回開発された複合触媒について、その多機能性により、光熱変換触媒単体では成しえなかった各種制約を打ち破り、飲料水の安定供給実現に向けた技術開発を加速させることにつながることが期待されるものだと説明しているほか、開発されたMCプロセスについては、追加処理や試薬などが不要で、市販の酸化物-汎用プラスチック粉末の種類を問わず広く適用でき、それらから機能性複合粒子を再構築可能なことから、既存原料の機能向上や廃プラスチックのアップサイクリングなど、多岐にわたる展開が期待されるとする。

また、光熱効果で発生した熱を利用し、熱電変換器で電圧信号に変換できることも予備実験的に確認済みだとしており、太陽光発電および熱電変換を電力源としたLED型照射モジュールをユニット内に組み込むことで、自立循環型水浄化システムの実現が期待できるともしており、今回の研究成果を活用することで、海水や雨水以外にも、工業廃水などといった幅広い水浄化用途にそのまま転用できることも期待されると研究チームはしており、今後は多機能性を決定づける化学構造や制約環境因子を解明すると共に、大型の試作システムの構築および屋外検証を進め、世界的な水不足問題の解消に向けた次世代触媒による淡水化技術の実用可能性を拡張することも目指していくとしている。
(波留久泉)



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