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マツダ「CX-80」の実質的最上級モデル? ディーゼルMHEVの仕上がりは

マイナビニュース / 2024年10月21日 8時0分

余談だが、思えば筆者は1995年の阪神・淡路大震災の直後に、報道カメラマンとしてこのあたりを取材しまくった記憶がある。すぐ先の三宮駅付近はビルが倒壊していたし、長田地区は焼け野原になっていた。停電で信号機は機能しておらず、道路はクルマやバイク、自転車や歩行者で大混乱する無法地帯だった。阪神高速3号線の高架が横倒しになっている衝撃的な光景もこの目で見た。それが今や、クラシカルな建物が昔のままのように再現され、それをバックに美しいCX-80の写真を撮ることができるのだ。嬉しいとしか言いようがない。

高速走行でキャラが変わる?

旧居留地内での撮影の後は件の阪神高速3号線に上がり、淡路島を目指した。60km/hの速度制限に合わせてACCを起動すると、エンジン回転数はわずか1,100rpm付近で粛々と回り始める。市内でちょい乗りを繰り返したせいで、燃費計はスタート時点の15.8km/Lが14.4km/Lまで落ちていたけれども、このまま走り続ければまた伸びていくのだろう。

淡路島に入って前が空いたところでスポーツモードに入れ、パドルでシフトダウンしてアクセルペダルを踏んづけてみる。すると、車内のサウンドは「グロロロロッ」という6気筒の野太いエンジン音だけに収斂され、一気呵成に車速を上げていく。レッドゾーンは5,000rpm超え。欧州で鍛えたCX-80の走りの真骨頂は、やはりこうした高速域にあるのだと確信できた。
ニュルブルクリンクも走った? CX-80開発秘話

試乗を終えて話を聞いたのは、CX-80の全体を取りまとめた商品開発本部の柴田浩平主査だ。

「ラージ商品群としての理想といいますか、目指す方向性があるので、CX-80の熟成には本当に時間がかかりました」と切り出した柴田さん。CX-60を発表したころは乗り心地の面でけっこう叩かれていたので、そのあたりも含め調整には苦労したのだろう。

とはいえ、「乗り心地をよくしようとすると、失われていくものもあるのがセオリー」(柴田さん)だ。具体的にはどうやってCX-80を鍛えたのか。柴田さんはこう振り返る。

「ステアリングの切りはじめでスッと頭が向きを変えて、その角度に応じてクルマが綺麗に回っていく。それがこのプラットフォームのよさで、そこをしっかりと残しながらいろいろな道を走ることで、乗り心地と走りの両立を目指しました」

実際、たくさんのトラックが走って路面があれた日本の工場地帯からドイツのアウトバーン、果てはニュルブルクリンクのサーキットまでという幅広い環境でCX-80を走らせ、熟成を重ねていったという。

では、CX-80はこれで完璧に仕上がっているのか? と聞かれたら、例えば大きめのバンプを乗り越えた時にはリアの落ち着きがもう少し欲しいなどの声が聞こえてきたりもする。そのためには電子制御のアダプティブダンパーなど、さらに高価なパーツの導入が必要になってくるのかもしれない。年次改良が得意なマツダのことだから、CX-80はまだまだ進化していきそうだ。

原アキラ はらあきら 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。RJC(日本自動車研究者ジャーナリスト会議)会員。 この著者の記事一覧はこちら
(原アキラ)



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