日産がクルマのデータ提供サービス「Nissan Biz Connect API」開始! 一般人に恩恵は?
マイナビニュース / 2024年10月21日 7時45分
日産が「Nissan Biz Connect API」を開発した背景には、ビジネスユーザーからのデータ提供の要望があったという。
日産では法人向け車両管理システム「Nissan Biz Connect」を提供しているが、こちらは車両管理機能も含めたシステムであり、さらに専用通信機と専用ドライブレーコーダーの搭載が必要となる。一方で「Nissan Biz Connect API」は、車載機能から得られる情報を提供するだけだ。このため、他の車両管理や車両運行システムとの組み合わせがマストとなる。裏を返せば、顧客が使いたいシステムが自由に選べて、その機能強化につながるのがメリットなのだ。
他社のシステムに用いる車載器と異なるのは、車両からの情報に限定すれば専用機器が不要なため、初期費用を含め導入費が抑えられること。さらに、電池残量や充電時間などのEV特有の車両情報が正確に得られるのは、メーカー純正システムの強みといえよう。
今後はe-POWER車(日産のハイブリッド車)への対応や提供情報の拡大も図っていきたいとしている。また、「Nissan Biz Connect API」は情報提供サービスであるため、他の車両管理システムをはじめとするさまざまな情報を扱う企業との提携なども考えられるのではないかとのことだ。
ビジネスユーザー向けの情報提供サービスなので、一見すると一般の消費者には関係ないシステムのようにも思えるが、EVタクシーのスムーズな運行はタクシー不足の抑制につながるし、カーシェアでは最も近くにある電池残量の多いEVが提供されるようになる。このように、クルマを利用するユーザーの利便性向上につながる可能性を秘めているのが「Nissan Biz Connect API」だ。「走るスマホ」とも呼べるコネクテッドカーの強みをユーザーが享受できるようになった一例とも言える同サービスだけに、新たなクルマ関連サービスの誕生を含め、これからの発展性に注目していきたい。
大音安弘 おおとやすひろ 1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。主な活動媒体に『webCG』『ベストカーWEB』『オートカージャパン』『日経スタイル』『グーマガジン』『モーターファン.jp』など。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。 この著者の記事一覧はこちら
(大音安弘)
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