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大人のインフラ紀行 第4回 荒川第一調節池周辺を巡る2時間弱の水辺散歩は、物思いにふけるのにちょうどいい時間

マイナビニュース / 2024年10月24日 7時0分

画像提供:マイナビニュース

インフラツーリズムとは、公共施設である巨大構造物のダイナミックな景観を楽しんだり、通常では入れない建物の内部や工事風景を見学したりして、非日常の体験を味わう小さな旅の一種である。

日常の散歩からちょっと足を伸ばすだけで、誰もが楽しめるインフラツーリズムを実地体験し、その素晴らしさを共有することを目的とする本コラム。今回は埼玉県の治水インフラ、荒川第一調節池の周辺を歩いてみた。

○インフラツーリズム三種類の楽しみ方

インフラを楽しむのにはいくつかの方法がある。

1つは、施設の管理者が主催する公式の見学ツアーに参加する方法だ。通常は立ち入り禁止の施設裏側に入れたり、主催者からさまざまな情報を聞いたりすることができるので、ディープなインフラ体験をすることができる。ただ、いかにも社会科見学的で、ちょっとお勉強くさくなってしまうところがデメリットかもしれない。

2つ目は、観光地のようになっている一般に開放された施設を自由見学する方法。ダイナミックな景観を形成するダムや橋などの巨大インフラは人気スポットになっていることが多く、大抵はこのパターンで見学する。

いつでも好きなときに訪問できる気楽さはありがたいが、独自の視点や目的を持っていないと単なる物見遊山となってしまい、学びや気づきが少なくなってしまうので注意が必要だろう。

そしてもう1つは、特に観光地となっているわけでもない施設をターゲットとし、散歩がてらの気分で勝手に見学するパターン。街に溶け込んでいる施設に特別な意義を見出し、能動的に愛でる方法であり、難易度はやや高い。だがもっとも趣のあるインフラツーリズムと言えるのではないかと思う。

今回の荒川第一調節池は第3のパターン。

ここは市民の憩いの場として親しまれてはいるが、特に人気の観光名所というわけではない。平日の昼間に訪れると、犬の散歩やジョギングをしているご近所の人しか見当たらないようなのどかな場所。穏やかな雰囲気の中、あれこれ思索しながらの散策はなかなかいい気分だった。

○暴れ川の水害に悩む人々のために計画された治水インフラ

奥秩父に源を発する荒川は、埼玉県から東京都を流れ東京湾に注ぐ一級河川。水系の流路延長は173km(国内18位)、流域面積は2,940km(同19位)におよび、河川敷を含めた最大川幅は日本最大の2,537mを誇る、非常に立派な川である。

荒川の川岸には古くからたくさんの人々が暮らし、農業を営んできた。しかしその名が示す通り大変な暴れ川として知られ、寛保2年(1742年)、安政6年(1859年)、明治43年(1910年)、昭和22年(1947年)、昭和49年(1974年)、昭和57年(1982年)などたびたび大氾濫。周辺の住宅や田畑に浸水し、住民は甚大な被害を受けてきたという。

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