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宇宙の電子加速に作用する「コーラス放射」人工的に抑圧できる、金沢大が解析に成功

マイナビニュース / 2024年10月21日 15時31分

今回の研究では、人工制御の条件として、周波数を変化させない一定の周波数で、かつコーラス放射の基となる電磁波よりも少しだけ周波数と振幅の大きい電磁波を外部から人工的に印加し、電子の運動を人工電波で乱し、自発的なコーラス放射の成長を抑圧する条件を考えることにしたという。この「少しだけ周波数が違う」という点が重要とし、共鳴しようとする電子から見ると、基本の電磁波と人工電波がそれぞれ異なる周波数を有して存在するため、電子が効率よく電磁波と共鳴することができなくなるとした。

人工電波の有無によるコーラス放射の成長の影響を厳密に調べるため、コンピュータシミュレーションを用いて、コーラス放射の成長過程が詳細に調べられたところ、適切な周波数と振幅を有した人工電波を印加することで、コーラス放射の発生抑圧に成功し、コーラス放射を発生させる非線形な電子の運動は、印加された人工電波の影響により運動が変化することが確認されたという。さらに、人工電波の印加によりコーラス放射が発生できないため、放射線帯電子の生成率も低減できる可能性があることも判明。これは人工電波の周波数と振幅を調整することで、人類が放射線帯で発生しうるコーラス放射やそれによって加速される放射線帯電子を人工制御できる可能性が示されたということであると研究チームでは説明している。

なお、今後については、今回の研究成果を踏まえ、さらに効率よくコーラス放射を抑圧することを目指して、人工電波を印加する位置や印加する時間などの評価と理論的な枠組みの開発に関する研究を推進していくという。また、今回の研究成果について研究チームでは、地上や宇宙からの電磁波を用いた、プラズマ環境の人工制御という新しい技術を通じて、宇宙利用インフラの放射線による電子回路の劣化や故障低減へ貢献することが期待されるとしている。
(波留久泉)



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