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"世界最大級"と"世界最小"のコラボレーション「CVDK プラネタリウム 名古屋市科学館モデル」ができるまで

マイナビニュース / 2024年11月1日 16時0分

いわば天文表示を正確に行うための副産物として誕生したのが天文時計であり、その原理が今の機械式時計につながっているという構図である。

「時計の仕事をしていると、どうしても天文学の関係者ともつながっていくのですが、彼らから『2023年は光学式プラネタリウムが誕生して100年の節目になる』という話を聞いて、いろいろと調べてみたんです。すると、世界最古のプラネタリウムが実はオランダにあって、そのレプリカが名古屋市科学館にあるということがわかりました。さらに調べたら、名古屋市科学館のプラネタリウムは世界最大級だということもわかって、これはすごいなと。ちょうどピムさんも近く来日予定だということだったので、とりあえずは名古屋市科学館にお連れして、関係者のみなさんに会ってもらうことにしたんです。」(佐藤氏)

実際に名古屋を訪れたピム氏は、佐藤氏の計らいで、名古屋市科学館の天文担当課長である毛利勝廣博士らともつながり、議論を重ねていくうちに、"世界最小の機械式プラネタリウム"を搭載した「CVDK プラネタリウム 名古屋市科学館モデル」の開発を構想するに至ったようだ。

「クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウは世界で唯一、天文時計だけをちゃんとつくり続けているブランドですが、ブランドを大きく育てたいという意識はないんです。それよりも、ただ、天文大国オランダで生まれたものをずっと継承していかなくてはいけないという使命感みたいなものを感じるんです。」(佐藤氏)

今は高級時計をステータスとして捉えたり、投資目的でコレクションしたりする人もかなり増え、時計の価値自体が以前とは大きく変化しつつある。

「でも、クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウは時計が生まれた歴史に敬意を表し、天文時計というスタイルをずっと貫いて、これからも受け継いでいこうとしています。オランダ人たちと話していても、ナショナリズムみたいな部分で、この事業を引き継いでいこうと考えている、意思のようなものを感じます。彼らのこの"やり続ける力"はすごい。惑星の軌道を本当に自力で計算しながら表現していく人たちなので、表現者としても優れていますが、忍耐力にも優れているんですよ。」(佐藤氏)

「CVDK プラネタリウム 名古屋市科学館モデル」は世界で6本の限定販売として予約受付中。名古屋市科学館ではまもなく、展示用の実物が公開される。"世界最大級のプラネタリウム"と"世界最小の機械式プラネタリウム"のコラボレーション、その長い歴史とロマンをぜひ現地で体感してほしい。
(猿川佑)



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