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『三屋清左衛門残日録 春を待つこころ』撮影の裏側に潜入、J:COM加入者向け見学ツアーに同行してみた

マイナビニュース / 2024年10月31日 11時0分

屋外でロケ中に飛行機が飛んできたら、やはり撮り直すのだろうか? そんな質問には「基本的にはリテイクしますが、音声をチューニングすることで消せる場合があります」とのこと。ではグリーンバックを使うことはあるのかと続けて聞いてみると「もちろん使用しますが、その場面だけ絵が浮くことがあります。だからといって全編グリーンバックで撮ると、今度は『スター・ウォーズ』のような映像になってしまいますし、相当な予算がかかります。グリーンバックだと俳優さんの演技に力が入らなくなるとも言いますし、本作はできる限りセットやロケーションを作り込んで撮影を行なってます。ただ東映東京撮影所ではLEDウォールなども試しはじめているようです」という答え。

午前中の撮影が終わると、ここで昼休憩。見学ツアーの参加者は撮影セットの中で、主演の北大路さんと歓談できる時間がもうけられた。

○技術の継承が喫緊の課題に

午後は衣裳部屋/メイク室/結髪室/俳優養成所などをまわっていった。話を聞いたのは、美術監督の松宮敏之さん、衣裳の古賀博隆さん、美粧・床山の大村弘二さん。松宮さんは、第30回日本アカデミー賞(2007年)において最優秀美術賞(映画「男たちの大和/YAMATO」)を獲得されている方だ。

「撮影期間、撮影のしやすさ、予算などを考慮しながら、いかに本物っぽく見せるか、に苦心しています。たとえば、こちらの井戸はFRP(ガラス繊維強化プラスチック)で作っています。エージングをして背景になじませるわけですが、そこに本物の苔もくっつけてみる。1つ、2つアレンジを加えることで、映像により説得力を持たせることができるんです」(松宮さん)

衣裳の古賀さんは、今年、米・ロサンゼルスで開催された第76回エミー賞において18部門で賞を総なめしたドラマシリーズ「SHOGUN 将軍」に、着付け・衣裳アドバイザーとして参加した人物。

シリーズもののドラマの衣裳はすべて衣裳室に保管している、と古賀さん。ただ北大路欣也さんほどの俳優になるとこちらのスペースだけでは収まり切らないため、別の倉庫にも保管しているという。『三屋清左衛門残日録』シリーズについては「当初、第2作が完結篇だったんですよ。だから撮了後、バラしちゃった。でも続篇があるということで、慌てちゃって」と笑っていた。

美粧・床山の大村弘二さんは、第47回日本アカデミー賞(2024年)で協会特別賞を受賞している。「カツラ作りは、俳優さんの頭の形にぴったり沿うようにアルミ板で土台をつくるところから始まります」と大村さん。左右で頭の形が違う人も珍しくないんです、と話す。最近のドラマ撮影については「映像が4K~8Kまで高画素化されたでしょう。髪の生え際(カツラの際)が気になってしょうがないんですよ」。ちなみに、これまでカツラ作りで苦労した人は?という問いかけには「元横綱の曙さんのカツラは大きかったですね。作ってみたら『これバケツ?』っていうくらい大きくて(笑)」と秘話を明かした。

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