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福島県「南会津」の日本酒がGI指定、八芳園でスタートアップイベント開催 - GIって何? どんなお酒なの?

マイナビニュース / 2024年10月23日 18時5分

GI南会津の日本酒は、総じて口当たりがやわらかく、米由来の優しい甘みと酵母の特徴であるフルーティーさが引き立てられており、会場のゲストたちもこの美酒と美食のペアリングに舌鼓を打った。
○蔵元の想いとは…?

蔵元は今後、GI制度をどのように活用していくのだろうか。展望や想いを聞いてみた。

開当男山酒造の渡部謙一醸造元は、「GIの制度を消費者のみなさんに知ってもらうことが一番だと思います。また、海外のほうがGIの認識は高いので、それにあわせて今後海外にも展開していきたい」と語った。

次に、国権酒造 代表取締役の細井信浩氏は「日本におけるGIの認知度はまだまだ低いですが、ヨーロッパ、特にフランスなんかでは関心度が高い。今回、GI認定を取得したばかりにもかかわらず、イギリス人から『GI取ったんだって』と連絡がきたほど。また、GI指定の範囲が狭ければ狭いほど、価値があると見られやすいんです。単独の町内での指定は日本初なので、これをいかに活用できるかを考えています」とした。

花泉酒造 代表取締役の星誠氏は、今後の展望を次のように述べた。

「GI南会津といえば4蔵がこういう酒造りをしてる、こういう味わいなんだ、というのを海外の人に深く知ってもらうことが大事だと思っています。日本酒という文化を多くの人に知ってもらうためには、"地域性を生かした"という点がより重要だと考えています」

続けて、"地域を生かした酒造り"の中でも米に着目し、「耕作放棄地といって、近年どんどん米が作られない場所が増えています。耕作放棄地が増えるということは町自体がさびれていくんです。ですが、酒造メーカーが酒造好適米(酒米)を町に持ってくることで、耕作放棄地が減ったり、町の仕事が増えたり、住民の利益が少しでも増えていく――。日本酒を造ることで、町内が少しでも豊かになっていけば」と、その想いを伝えてくれた。

最後に、会津酒造9代目杜氏である渡部景大氏は、「GIの認知度が高い海外でGI南会津をアピールし、そこで認められたものを国内に持ち帰りたい。外で認められたものを持ち帰ったほうが説得力があったり、興味を持ってもらえたりすると思うんです。そして、最終的には、南会津全体に興味を持ってもらえたらうれしいです」と、笑顔で語った。

いずれの蔵元も、日本でGIの認知度を高めていくとしつつ、GIへの理解が深い海外での展開に積極的な姿勢を見せた。自然豊かな南会津の酒が、日本から飛び出し異国の地でどう楽しまれるのだろうか。GI南会津の魅力を伝える酒蔵の挑戦は始まったばかりだ。

矢吹結花 やぶきゆか 編集者・ライター。旅とお酒とスポーツが大好き。ライフスタイルやヘルスケア系の記事を担当しています。 この著者の記事一覧はこちら
(矢吹結花)



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