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ULAの新型ロケット「ヴァルカン」、不屈の飛翔 - ブースターが破損するも打ち上げには成功

マイナビニュース / 2024年10月22日 15時42分

画像提供:マイナビニュース

2025年10月4日、良くも悪くも宇宙開発の歴史に刻まれる出来事が起きた。米宇宙企業ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)による新型ロケット「ヴァルカン」の2回目の打ち上げである。

打ち上げから37秒後、予期せぬ事態が発生した。固体ロケットブースターのノズルが破損し、ロケットは明らかに異常な状態になり、一時は失敗も危惧された。しかし、ロケットは持ちこたえ、計画どおりの軌道に到達した。

今後、今回の打ち上げを評価する米国宇宙軍がどのような評価を下すかが焦点となる。

ヴァルカン・ロケット2回目の試験飛行

ヴァルカン(Vulcan)はULAが開発したロケットで、米国の次期主力ロケットのひとつに位置付けられている。

1号機は今年1月8日に打ち上げられ、完璧な成功を収めた。

今回の2号機「Cert-2」ミッションは、米国宇宙軍から「国家安全保障宇宙打ち上げ(National Security Space Launch)」の認証(certification)を得るための試験を目的としていた。米国の軍事衛星などの打ち上げには、米国宇宙軍から認証を受ける必要がある。認証プロセスには2回の試験飛行が必要で、1号機に続き、今回が2回目だった。打ち上げが無事に成功すれば認証が得られ、今年中にも軍事衛星の打ち上げが可能になる。

機体は「VC2S」という構成で、これは固体ロケットブースター(SRB)を2本、長さ15.5mの短いフェアリングを装備していることを意味する。

今回の打ち上げでは、実機の衛星は積まず、質量シミュレータ(重り)を搭載し、また上段から分離もされない。当初、2号機には米国の民間企業シエラ・スペースの無人のスペースプレーン「ドリーム・チェイサー」を搭載する予定だったが、同機の開発が遅れたこと、一方でヴァルカンの認証は遅らせられないことから、重りが搭載されることになった。

さらに、地球周回軌道に到達後には、第2段「セントールV」上段のロケットエンジンの再々着火を行い、最終的に太陽を回る軌道に入る計画だった。

ヴァルカンCert-2は日本時間10月4日20時25分(米東部夏時間同日7時25分)、ケープ・カナベラル宇宙軍ステーションの第41発射施設からリフトオフ(離昇)した。

当初、ロケットは正常に飛行していたものの、離昇から37秒後に、2本装着しているSRBのうちの1本の、ノズルのスカート部分(お寺の鐘のように広がった部分)が破損し、複数の破片が飛び散った。

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