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大河原克行のNewsInsight 第335回 戦略目標は「かっこいいFMV」、デザイン思考で企業変革を狙うFCCLの取り組み

マイナビニュース / 2024年10月22日 17時54分

2つめの「FMVファンを増やすこと」では、既存の顧客を大事にする一方、新たな顧客に気にいってもらうモノづくりを目標に掲げる。

2024年8月に、FCCLの大隈健史社長にインタビューした際、いまのFMVに足りない点について大隈社長は、「Z世代に価値が届けられていない」と指摘。「世界最軽量をはじめとしたFMVが得意とするこれまでの提供価値とは異なる視点で、Z世代に刺さるPCとは何か、ということを真剣に考えていく必要がある」と述べていた。こうした市場が、FMVシリーズにとっての新たな顧客層ということになるのだろう。

藤田本部長も、「若者世代へのFMVの認知度は4%に留まっている。富士通時代から継承しているモノづくりの強みを生かすだけでなく、若者世代が求めるシンプルな購入体験や使用体験も捉えながら、時代にあった価値観を提供したい」と述べる。また、「FCCLが提供するのは、PCという製品ではなく、PCを活用した快適なICT生活である。そのために、お客様が快適に体験できるインターフェースを提供し続けたい。そのひとつのインターフェースが、AIアシスタントのふくまろである。FCCLは、お客様に一番近いところでビジネスを行っている企業であり、新たなテクノロジーをお客様に体験してもらえる環境の実現を通じて、FMVのファンを増やしていきたい。人に寄り添うことほ中心にしたモノづくりはこれからもブレない。時代の最新の商品やサービスにより、コンピューティングを社会に実装し、FMVのブランド価値を高めていきたい」と述べた。

そして、3つめの「社員が前向きに働けること」では、会社を全員参加で盛り上げること、価値創出の風土づくりに取り組むことを掲げる。

FCCLは、2018年にレノボグループとなったが、それから約5年を経過しても、まだ富士通の文化が根強く残っている。社員のほとんどが富士通出身であることが最大の理由ともいえ、レノボの文化との融合が、まだ進展しきれていないのは明らかだ。

藤田本部長は、「大切なのは、レノボから人を連れてきて、レノボの文化と融合させるのではなく、FCCLの社員によって変えていくということである。そのためには、従業員エンゲージメントも、もっと強化していく必要がある」と語る。

FCCLでは、2023年度から「KIZUNA」という社内プロジェクトを立ち上げ、従業員エンゲージメント活動を強化している。これも、マーケティング本部が掲げる「社員が前向きに働けること」につながる活動のひとつであり、藤田本部長がブロジェクトの牽引役となっている。

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