大阪公大、有機半導体積層デバイスの非磁性層側からのスピン流効果の観測に成功
マイナビニュース / 2024年10月23日 12時35分
近年、強磁性層と有機半導体層の界面で「スピンターフェース」とよばれる両層間で部分的に混合した特異な状態が形成され、それが高いスピン偏極状態の伝達に有効であることが注目されている。今回の研究において用いられた強磁性層と有機半導体層の関係が、そのスピンターフェースの形成によって説明できることが、磁気共鳴信号の特性から示された形であり、この形成を磁気共鳴法により示したのは初めてであり、これまで実験的な知見が限られていたスピンターフェースに対し、新たな視点からの計測方法を提案できた点でも意義が大きいと研究チームでは説明している。
なお、スピン流は次世代の情報通信媒体として期待されていながらも、その発生機構、伝達機構などはまだ不明な点が多く、新しい技術の導入による進化が期待されているという。そのため今回の研究で採用された長いスピン緩和時間を持つ有機半導体の活用は、これまで情報を引き出せなかった非磁性層側からの物性追究を可能にすることにつながるため、今後のスピン流物性の理解の深化への貢献が期待できるという。
(波留久泉)
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