『極悪女王』に描かれる「昭和の女子プロレス」が、いまも輝き続ける本当の理由─。
マイナビニュース / 2024年10月30日 10時0分
●昭和時代の特別な熱狂
Netflixで配信中の『極悪女王』が大人気を博している。1980年代半ばに全日本女子プロレスのリングでブレイクした長与千種&ライオネス飛鳥の「クラッシュギャルズ」。その敵役だったダンプ松本を主人公に据えたドラマだ。
「クラッシュギャルズ」と「極悪同盟」の抗争が、なぜこれほどまでにファンを熱狂させたのか? そして、あれから40年近く経った現在も観る者の心を熱くさせるのか? 当時、プロレス専門誌『週刊ゴング』の記者として女子プロレスの取材にあたっていたスポーツジャーナリストの近藤隆夫が、その真の理由を考察─―。
全5話を見終えて、懐かしむと同時に当時の情景が見事に再現されていることに感銘を受けた。ストーリーの現実性はともかく、昭和の女子プロレス感が映像から重厚に伝わってきて一気に引き込まれる。ダンプ松本役のゆりやんレトリィバァ、長与千種役の唐田えりか、ライオネス飛鳥を演じた剛力彩芽の演技も見事だった。
私が『週刊ゴング』誌の記者になったのは昭和末期の1985年。18歳で、まだ大学に通いながらのこと。本当は男のプロレスを追いたかったが、編集長から命じられたのは女子プロレスの取材。
(何だかなぁ)
そう思いながら会場に行く。だがそこで目にした光景、熱量に圧倒されたことを現在も忘れることができない。プロボクシング、プロレスの会場で普段は男臭さが充満している後楽園ホール。その場が『全日本女子プロレス』の興行では一変していた。
会場が、当時の私と同世代、もしくは少し下の年代の女性で埋め尽くされている。
「チグサ~!」
「アスカ~!」
クラッシュギャルズがリングに入場すると、そんな叫び声とともに赤と青の紙テープが一斉にリングに舞っていた。試合が始まるとファンは立ち上がり絶叫し続ける。結末に感極まり涙を流す者もいた。その光景はアイドルのコンサートよりも、宝塚公演に近く、さらに予想を超えた熱量を伴うものだった。
クラッシュギャルズと極悪同盟、そしてファンが一体となり生み出す熱量に圧倒された私は、以降の数年間、精力的に女子プロレスを取材し考察するようになった。
あの時代の熱狂は、特別なものだったと思う。
全日本女子プロレスは19年前に消滅した。だが現在も女子プロレスは続いている。『スターダム』『マリーゴールド』『LLPW-X』など数多くの団体があり、闘い模様は豪奢かつスタイリッシュ。技の精度、パフォーマンスにおいては昭和時代のそれとは比較にならないほど進化している。
しかし会場に、かつてほどの熱狂はない。
「時代が違うから」と言ってしまえばそれまでだが、あの時代の熱狂が二度と戻らないのには1つの理由がある。
この記事に関連するニュース
-
「ダンプ松本を血まみれにしてやりたい」歴史の“生き証人”が語る、女子プロレスブームの裏側
週刊女性PRIME / 2024年10月26日 17時0分
-
『極悪女王』長与千種、唐田えりかの熱演に涙「髪の毛が切られていくのを見て…」 髪切りマッチへの思い語る
マイナビニュース / 2024年10月6日 17時0分
-
『極悪女王』長与千種、ゆりやん・唐田えりからは「完全にプロレスラーだった」 現場で見続けた努力と変化を語る
マイナビニュース / 2024年10月5日 11時30分
-
『極悪女王』熱演 ゆりやん・剛力彩芽・唐田えりか、一番“凄まじかった”のは? イッキ見して分かったこと
女子SPA! / 2024年10月3日 15時46分
-
ジャガー横田『極悪女王』の俳優陣の“プロ根性”を称賛する一方、「あのシーンは心外だった」とブチギレ…スター選手を引退に追い込んだ19歳の横田利美が抱えた孤独
集英社オンライン / 2024年10月2日 11時45分
ランキング
-
1「最悪、降板もありえる」橋本環奈にパワハラ疑惑報道、朝ドラヒロイン“途中交代の悲劇”再びか
週刊女性PRIME / 2024年10月31日 10時0分
-
2無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月31日 11時3分
-
3ドジャース歓喜のシャンパンファイトに中居正広が大興奮!「見てると楽しくなっちゃう」「うわ~!」
スポニチアネックス / 2024年10月31日 14時59分
-
4ハライチ岩井、フジ「ぽかぽか」わずか1分20秒の生放送終え「奇跡の尺」 WS生中継で放送時間短縮
スポニチアネックス / 2024年10月31日 15時52分
-
5斉藤慎二の復帰は絶望的…ジャングルポケット「トリオ→コンビ芸人」転身成功のキモ
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月31日 9時26分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください