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なぜ「衝突事故検出機能」はiPhone 14シリーズ以降限定なの? - いまさら聞けないiPhoneのなぜ

マイナビニュース / 2024年10月30日 11時15分

画像提供:マイナビニュース

交通事故にあえば気が動転するのは当然のこと。なにぶん突然の事態なうえ、電話機を手にすることが難しいほどの怪我を負う可能性もあり、警察や消防署に電話したり家族と連絡を取ったりできないかもしれません。AppleがiPhoneに「衝突事故検出機能」が必要と判断したことにも頷けます。

iPhone 14では、「設定」→「緊急SOS」画面にある「激しい衝突事故発生後に通報」スイッチがオンのとき、自動車衝突事故を検出すると通知を表示します。キャンセルしないかぎり、20秒後に緊急電話が発信されるため、意識を失うほどの事故でも助けを呼ぶことができます。

ただし、衝突事故検出機能がサポートされるのはiPhone 14シリーズ以降。それ以前のiPhoneでは、iOSを最新バージョンにアップデートしても利用できません。

その理由は公式には明かされていませんが、「センサー」の性能差が原因のひとつとして考えられます。iPhone 14では、高精度に角速度を測定する「ハイダイナミックレンジジャイロセンサー」、演算能力が高められた「デュアルコア加速度センサー」が搭載され、傾きや回転、移動速度といった状態の変化をより精緻に把握できるようになりました。

衝突事故を検知するソフトウェア技術の進化も挙げられます。Appleは自動車事故の振動や衝撃音、エアバッグが開いたときの気圧変化などさまざまな事例データを大量に収集し、機械学習によりその特徴と傾向をつかみ、衝突事故が発生したかどうか判定するためのアルゴリズムに役立てています。見方を変えれば、衝突事故検知には高い演算性能が求められるわけで、そのためにiPhone 14シリーズ以降の性能が求められると考えられます。

海上忍 うなかみしのぶ IT/AVコラムニスト。UNIX系OSやスマートフォンに関する連載・著作多数。テクニカルな記事を手がける一方、エントリ層向けの柔らかいコラムも好み執筆する。マイナビニュースでは、「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」のほか、前世紀から続く「(新)OS Xハッキング!」などを連載中。執筆以外では、オーディオ特化型Raspberry Pi向けLinuxディストリビューションの開発に情熱を注いでいる。2012年よりAV機器アワード「VGP」審査員。 この著者の記事一覧はこちら
(海上忍)

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