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今押さえておきたいサイバーセキュリティ用語 第11回 サプライチェーン攻撃 - 増加する背景と有効な対策は?

マイナビニュース / 2024年10月30日 13時31分

画像提供:マイナビニュース

サプライチェーン攻撃とは、標的とする組織に直接攻撃せず、その組織のサプライチェーン内の脆弱な部分を攻撃してから、それを踏み台にして間接的に標的の組織を狙う手法です。
○サプライチェーン攻撃が増えている背景

踏み台となるのは、セキュリティ対策が不十分な取引先企業や、標的の組織が利用しているサービス、ソフトウェアなどが挙げられます。この攻撃に遭うと、自社だけでなく取引先にも損害を与えてしまい、賠償問題に発展する可能性も否定できません。

近年サプライチェーン攻撃が増加傾向にあるのは、以下の2つの理由が考えられます。

1.セキュリティ対策の格差拡大:大企業のセキュリティ対策が進んでいる一方で、中小企業では費用や人材の制約から十分な対策が難しいケースが多く、攻撃者にとっては格好の標的となっています。

2.攻撃ツールの容易な入手:脆弱性情報や攻撃ツールがダークウェブなどを通じて容易に入手できるようになり、専門的な知識がなくても攻撃を実行できる環境が整っています。

○攻撃のパターン

サプライチェーン攻撃のパターンとしては、主に以下の2つが挙げられます。

1.取引先や子会社への侵入:標的となる組織の子会社や取引先、サービスプロバイダに侵入し、メールアドレスなどの情報を窃取します。その後、標的組織に取引先を装ったメールを送信し、感染経路を構築します。また、グループ会社で共通して利用しているシステムを開発・運用している子会社を狙うケースも見られます。

2.ソフトウェア経由の攻撃:ソフトウェアを利用している企業に目をつけ、正規のソフトウェアにウイルスなどを仕込みます。ウイルスなどを含んだソフトウェアにアップデートした企業には、簡単に攻撃や侵入が可能になります。
○サプライチェーン攻撃対策

サプライチェーン攻撃を防ぐためには、以下の対策が有効です。

1.フィッシングメール対策:不審なメールの添付ファイルを開封しないよう、社員への周知徹底を行うことです。侵入する代表的な方法として、フィッシングメールやエモテットなど、メールを使った攻撃があります。不審なメールを発見した場合には、セキュリティ担当者に相談する体制を構築しましょう。

2.ソフトウェアの最新化:システムやソフトウェアは常に最新の状態に保ち、脆弱性の露呈を防ぎましょう。最新の状態にしても新たな脆弱性が発見される場合があるため、できる限り継続して迅速にアップデートを行っていきましょう。

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