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ブリヂストン、月面探査車向けタイヤ開発でアストロボティックと協業

マイナビニュース / 2024年11月1日 11時22分

画像提供:マイナビニュース

ブリヂストンは11月1日、アストロボティック テクノロジーとの間で、月面探査車向けタイヤ開発における協業契約を締結したことを発表した。

○中型月面探査車への搭載を見据えタイヤを共同開発

90年以上にわたってタイヤ開発を続けるブリヂストンは、その知見を活かして2019年から月面探査車用タイヤの研究開発に取り組んでいる。同社はこれまで第1世代および第2世代のタイヤコンセプトモデルを開発し、地上走行試験やシミュレーションを重ねており、この活度を通じてパートナーに「自ら極限へ挑戦する姿」を示すことで、宇宙ビジネスのネットワーク拡大と共創機会の創出を進めている。

今回協業契約を締結したアストロボティックは、6種類の月面探査車開発や米国航空宇宙局(NASA)からのローバー技術契約の37件受託など、17年間にわたる月面探査車の開発実績を誇る企業。両社はタイヤの共同開発において連携し、アストロボティックの月面探査車「24U CubeRover」のタイヤとして装着予定だという。

中型サイズの同ローバーは、優れたハンドリング性能やサスペンション、長距離通信機能を兼ね備え、過酷な月面環境でも卓越した性能を発揮することが期待されていて、月面における科学調査機器およびペイロードの移動手段となり、電力・通信能力を提供するよう設計されているとする。
○金属製スポークで柔軟性と耐久性を確保

24U CubeRover向けに開発するブリヂストンのタイヤは、タイヤの接地面とホイールをつなぐスポークが金属製のため耐久性を確保しながらも柔らかく変形し、月面にある岩などの障害物を乗り越えて走行することが可能となる。またこの構造によって外部からの衝撃を吸収し、さらに走破性およびエネルギー効率の向上にもつながるため、月面探査車の駆動系への負担が軽減され、月面探査ミッションを長期間にわたって足元から支えられるという。

なお両社は近い将来、月面への打ち上げおよび宇宙での熱環境におけるタイヤの耐久性も確認する予定とのこと。ブリヂストンは、地球のあらゆるモビリティの進化を支えてきた同社の次のステージとして、月面という新たな“極限”に挑戦することで安心・安全な人とモノの移動を足元から支え、今回のプロジェクトを通じてモビリティの未来になくてはならない存在となることを目指すとしている。
(鶴海大輔)

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