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アークエッジ・スペース、6U人工衛星汎用バスシステムの開発を完了

マイナビニュース / 2024年11月1日 13時16分

画像提供:マイナビニュース

アークエッジ・スペースは11月1日、2021年度より開発を進めてきた6U人工衛星の汎用バスについて、基本設計・開発・量産試験を順次完了したことを発表。今後は打ち上げ・軌道上実証のフェーズへと移行することを明らかにした。

○人工衛星開発を加速させる汎用バスが完成

ロケットの打ち上げ数増加および価格低減化に伴い、人工衛星などの打ち上げ数は過去10年間で約11倍へと増加したとされる。特に、小型衛星コンステレーションと呼ばれる複数衛星を用いた一体型運用のニーズは世界的にも高まっており、短納期・低コスト化を実現しながら多種多様なミッションに対応しうる“6U衛星”の実利用へ大きな期待が寄せられている。

そうした背景からアークエッジ・スペースは、小型衛星コンステレーションの企画・設計、量産化、運用までの総合的なソリューション提供を行っている。そして同社は、2021年度に経済産業省に採択され、2023年度以降はNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業である「宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業(超小型衛星の汎用バスの開発・実証支援)/迅速かつ効率的な多種類複数機生産を実現する6U標準汎用バスとその生産・運用システムの開発・実証」の一環として、6U衛星の汎用バス開発を進めてきたとする。

このプロジェクトで開発された6U衛星汎用バスシステムでは、内部構造やコンポーネントがモジュール化・規格化されるとともに、衛星バス部(共通部)とミッション部(カスタマイズ部)の接合部分に、柔軟な設計変更が可能なミッションインタフェース(MIF)を採用。3U相当を確保するミッション機器搭載部を柔軟に載せ替えることで、衛星開発に要する費用や時間を最小限に抑えつつ、顧客ニーズに応じたさまざまなミッションへの対応が可能になるという。

○4モデル7機の衛星による軌道上実証に着手へ

なお、同プロジェクトの成果としては、10kg級の6U衛星の標準汎用システム、量産システム、および複数衛星の自動運用システムを構築するとともに、2025年度までにこれらのシステムを利用した7機の衛星からなる多目的衛星コンステレーションの軌道上実証を行うとする。アークエッジ・スペースは、今後の軌道上実証において、6U衛星汎用バスシステムの基本機能と標準搭載のIoT通信機能を備えた基本モデルのほか、そこからミッション変更などを行った派生形として、地球観測・海洋向け通信衛星・光通信など用途に応じた3モデルの実証を予定しており、7機の衛星の宇宙空間での有効性・実用性を検証するとした。

また同社は、今回の事業で得られる知見を活かし、国内外の政府・研究機関および民間事業者に6U衛星のプラットフォームを提供することで、SDGs目標の達成をはじめとする地球規模の課題解決や、持続可能な宇宙産業の創出に貢献するとしている。
(鶴海大輔)

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